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のん×綿矢りさ×大九明子 苦難乗り越え生み出した作品

映画『私をくいとめて』不安定な今だからこそ、エンターテインメントは必要

長らく彼氏はいないけれど、自由で快適な「おひとりさま」ライフをエンジョイ。久々に恋が訪れるも、20代の頃のようには進まない30代の現実を描いた映画『私をくいとめて』。主人公のみつ子を演じた女優ののんさん、監督・脚本の大九明子さん、原作の綿矢りささんに話を聞きました。

映画『私をくいとめて』 コロナ禍を乗り越えて

 2020年12月18日に公開となる映画『私をくいとめて』がクランクインしたのは3月。ちょうど、横浜港に停泊していたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」のニュースが連日流れ、日に日に世界が不穏になりつつある頃でした。

 撮影できないのではないかと危惧するスタッフもいる中、感染対策も手探りの状況でスタート。当初イタリアで行うはずだったロケを国内に切り替えるなど、変更を余儀なくされつつも無事7月にクランクアップしました。

 今回は、監督・脚本の大九明子さん、主人公のみつ子を演じた女優ののんさん、原作の綿矢りささんに、コロナ禍で気づいたことや、幸せだと思う瞬間など、話を聞きました。

監督・脚本 大九明子(写真左)
横浜市出身。『恋するマドリ』(07)で長編映画監督デビュー。監督・脚本を務めた『勝手にふるえてろ』(2017年)では、第30回東京国際映画祭コンペティション部門・観客賞をはじめ数々の賞を受賞。近年の作品として映画『美人が婚活してみたら』(19年)、映画『甘いお酒でうがい』(20年)ほか多数を手がける。

女優 のん(写真中央)
兵庫県出身。女優、創作あーちすと。劇場アニメ『この世界の片隅に』(2016年)で主人公すずの声を演じ、高い評価を得る。女優業以外にも、17年には自ら代表を務めるKAIWA(RE)CORDを発足。18年には自身初の展覧会「“のん”ひとり展-女の子は牙をむく-」を開催。

原作 綿矢りさ(写真右)
京都府出身。高校在学中に「インストール」(2001年)で、第38回文藝賞を受賞し作家デビュー。「蹴りたい背中」(04年)で第130回芥川賞を、「かわいそうだね?」(12年)で第6回大江健三郎賞を受賞。「勝手にふるえてろ」は大九明子監督により実写映画化。

悩みや困りごとがあったときに頼る存在は?

日経doors編集部(以下、――) 主人公・みつ子の頭の中には、脳内の相談役「A」がいて、いつも的確なアドバイスをくれたり、背中を押してくれたりします。皆さんにとって、悩みや困りごとがあったときに頼る存在はいますか? それはどのような存在でしょうか。

「自由に海外渡航できるようになったら、最初に行きたい外国はどこですか?」という質問に、大九監督は「イタリア、ローマ行きたいですね。今回はリモート撮影でしたので」と回答
「自由に海外渡航できるようになったら、最初に行きたい外国はどこですか?」という質問に、大九監督は「イタリア、ローマ行きたいですね。今回はリモート撮影でしたので」と回答

大九明子監督(以下、大九) 私は、人に相談しないですね。若い頃の逃げ場は映画館。一人で映画館に行くことが一番の解決方法でした。今は「時が過ぎるのを待つ」かな。もちろん、仕事などのトラブルに関しては、必要な人たちと相談して対処します。

 でも、「さびしい」とか「つまんないな」といった持て余す感情に関しては、自分で解決しようとします。忘れようと、仕事に没入してみるとか。

 映画の中で主人公のみつ子は、階下の住人のホーミー(モンゴルの伝統的な歌唱法)のうるささに悩まされていたけれど、私だったら人に相談せず、時が過ぎるのを待ちます。ここかな? と思う部屋の部分をドンドンとたたいたりするかもしれないですけれど(笑)。

のんさんにも海外旅行で行きたい国について聞いてみると「イタリアはもちろん行きたいです。一番行きたいのは、ロンドンのベイカー・ストリート。シャーロック・ホームズみたいなコートを着て写真を撮りたい」のだそう
のんさんにも海外旅行で行きたい国について聞いてみると「イタリアはもちろん行きたいです。一番行きたいのは、ロンドンのベイカー・ストリート。シャーロック・ホームズみたいなコートを着て写真を撮りたい」のだそう

のん(以下、のん) 私はすぐ相談してしまうほうだと思います。

 「チームのん」という、クリエーティブチームのスタッフの方たちと、よく話をしますね。みんなに話しているうちに頭が整理されるし、答えが出てくることもあります。

綿矢りさ(以下、綿矢) 私は自分が焦っていたり慌てていたり、ピンチのときに、「A」のような人の声が脳内に出てくるんです。

―― 綿矢さんの実体験、「声の存在」が、この作品が生まれたきっかけの一つだったんですか!

綿矢 はい。脳内の声との付き合いは、仕事を始めたばかりの20代の頃から。男の人の声だけれど、お姉様みたいな言葉遣いで「しっかりしなさいよ」と叱ってくれる感じかな。焦っている自分に冷水をかけてくれる存在です。

綿矢さんは、自由に海外渡航できるようになったら、最初に行きたい外国は「中国・北京の故宮」だそう。「痛いマッサージを受けたいです」(綿矢さん)
綿矢さんは、自由に海外渡航できるようになったら、最初に行きたい外国は「中国・北京の故宮」だそう。「痛いマッサージを受けたいです」(綿矢さん)

 今はその声が出てくることもだいぶ減ってしまいましたが、20代の頃はとくに多くて。あの当時は慣れないことばかりで、その声をとても頼りに感じていましたね。

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