自分と向き合った自粛中、個人が発信することへの挑戦

剛力 4月から5月にかけて、人と会えない日が続いていたときに、仕事についてもいろいろ考えました。SNSの普及によって個人が発信できる時代になっていたので、数年前から、「これからは個人が発信し、一人ひとりが個性を生かしながら、個人が仕事を生み出す時代になっていくのかもしれない」と考えていたんです。

 変化する時代の中で、どうすれば自分がより成長できるのか。より自分の個性を大切にできるのか。そうしたことをずっと考えていたときに、コロナの影響による自粛を経験し、自分と向き合う時間が増えたことで、私も個人が発信することに挑戦してみたいと思うようになり、独立を決めました。

 もちろん、10歳からお世話になった事務所の方々にはとても感謝しています。離れるのはさみしかったですし、不安もありましたが、これまで教えてくださったことや、経験させていただいたことを大切にしながら、自分がどこまでできるのか挑戦していきたいと思っています。

コロナ禍により自分と向かう時間が増え、「個人が発信していくこと」に挑戦してみたいと思うようになったという剛力さん
コロナ禍により自分と向かう時間が増え、「個人が発信していくこと」に挑戦してみたいと思うようになったという剛力さん

洋服のディレクションにも挑戦

―― 独立後の10月からは、メディア型通販サイト「STYLEVOICE.COM(スタイルヴォイス ドットコム)」とコラボレーションして、「STYLEVOICE for Ayame Goriki」という洋服も作られていますよね。これも新たな挑戦の1つですか?

剛力 はい。きっかけは、私が洋服好きであることを知っている友人から、「そんなに洋服が好きならスタイルヴォイスの編集長に一回会ってみて」と言われたことです。プライベートでお会いして、食事をしながら「洋服愛」について話していると、「自分で洋服を作ることに興味はない?」と、誘っていただいたんです。

 そのときに、ふと、昨年末に結婚した姉のことを思い出しました。姉のドレスフィッティングには私も一緒に行ったのですが、姉は線が細く小柄なので、「自分に合うドレスが少ないかも」と心配していたんです。

 でも、自分の体にぴったりのドレスが見つかったときに、姉がすごく喜んでいて。その姿を見たときに、「私もいつか、こんなふうに誰かに喜んでもらえる服を作りたいな」と思いました。それまでは、一度も服を作りたいと思ったことはなかったので、お話をいただいたときには不思議な縁を感じましたね。