モデルとしてH&M/MOSCHINO、FENDI、VALENTINOといった海外メゾンの広告やキャンペーンに登場するほか、アパレルブランドjouetie(ジュエティ)のクリエイティブディレクター、DJとして幅広く活躍しているツインズユニットAMIAYAのAYAさん(姉)とAMIさん(妹)。服飾関係の仕事をしていた両親の影響で、ファッションの世界に憧れ15歳で上京。下積み時代やアイデンティティーに悩んだ経験をへて、現在は世界各地のファッションウィークを飛び回る国際的なインフルエンサーとなりました。二人の転機や夢をかなえた軌跡に迫ります。
(上)AMIAYA ドルガバのショーで個性を模索、世界的なモデルに ←今回はここ
(下)AMIAYA 語学力もお金もなかった過去から夢をつかめた理由
「何か足りない」と気づかされたミラノコレクション
日経doors編集部(以下、――) ファッション業界で国内外から注目を集めるAMIAYAさん。ビビットなピンク色のヘアカラーと直線的にカットされたぱっつん前髪のボブスタイルがトレードマークです。数年前まではそれぞれ別の髪形をされていたんですよね。
AMIさん(以下、敬称略) 実は3年半前に、二人で髪の色やヘアスタイルをおそろいにして、イメージチェンジをしたことが、今の私たちのキャリアに大きく影響しています。きっかけは、2016年にミラノコレクションのドルチェ&ガッバーナのショー。ショーに招待してもらい、初めて海外メゾンのファッションシーンを体感しました。すごくおしゃれで、自分のスタイルを持っている人たちを目の当たりにして、「私たちの強みや個性って何だろう?」と考えさせられたんです。
AYAさん(以下、敬称略) 私たちもドレスアップしていきましたが、カラフルできらびやかな人、ゴージャスなセレブリティーが大勢いる中では何かが足りず、自分たちの魅力を発揮できていない気がして……。海外では特に、アイデンティティーや個性がないと注目してもらえません。流行最先端のファッションに触れ、さまざまな人と交流する中で、「自分たちには何が必要なんだろう?」と、二人でその問いを掘り下げていったことが大きな転機になりました。
―― 当時感じた「足らないもの」「必要なもの」が、確固たるアイデンティティーだったのですね。
AMI 二人とも「インパクトが足りない」「何かもっと必要なものがある」と思っていたところに、日本に帰る飛行機の中で、ティム・バートンの映画『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』をみたんです。この映画には、容姿や服装がまったく同じ双子のキャラクターが出てくるんですが、「これだ!」とインスピレーションが降りてきて。日本に帰ってきてすぐ、おそろいのピンク色のボブにしました。
AYA 同じビジュアルの二人だからこそ、人の視線を集める大きなインパクトがあると気づきました。私たちのキャラクターとして、日本人、アジア人であることはすごく大事。日本人形のような前髪と短めボブで日本人らしさとコケティッシュを意識しつつ、子どもっぽく見られないようにメイクはきっちり。ファッションは、自分たちの個性を生かしてカラフルにしました。今でも「どこの国、どの街に行ってもAMIAYAというスタイルが確立されているか」「AMIAYAにしかない世界観をつくれているか」は常に考えています。