国際ガールズ・デーに向けた特別インタビューは、「女性」としての生き方についてのあくなき探求心を持ち、一石を投じ続けているバービーさん。自身のSNSやYouTubeを通して、ティーンエイジャーからベテラン世代まで、数多くの女性たちの背中を押す活動を続けています。そんなバービーさんから現代女性たちへ向けたエールをお届けします。

バービー 「女性性」は男性のためのものではない
バービー ジェンダー話題に男性にかみつくのはやめた ←今回はココ

怒りが沸き上がった20代後半

――日経doors編集部(以下、――) これまでアンケートや取材を通して編集部に届く声の中で、特に大きな反響があるのは、20~30代のdoors読者が社会に出てから抱いているジェンダーギャップへのモヤモヤや違和感です。バービーさんは、普段、ジェンダーギャップを感じることはありますか?

バービー(敬称略、以下同) 私も、それこそ20代後半の頃は、怒り震えていましたね、男女不平等に対して。36歳の今は、紆余(うよ)曲折あって峠を越えた感じです。もし今、日常の中でギャップを感じたら、それをどう解決すれば、生きやすい社会がつくれるのか、前向きに考えられるようになりました。

―― そんな境地に達するまでに、何があったんですか?

バービー 20代の頃は、芸人として仕事をしていく上で「男性に刃向かってはいけない、若い女性はヘラヘラしておけ」という暗黙のルールがあると勝手に思い込んでいました。しかも、その男性目線の理論を自分に内在化して、むしろそれが自分の価値観だとさえ思っていたんです。でもある時、本当に突然、うわっと感情が爆発しちゃって。そこからどんどん怒りが湧いてきたことがあったんです。

「別に大きなきっかけがあったわけでもない。突然きましたね。確か、ベッドに入って寝ようとしている時だったかな……」
「別に大きなきっかけがあったわけでもない。突然きましたね。確か、ベッドに入って寝ようとしている時だったかな……」

―― 拒否反応のような感じですね。

バービー 当時、同居していた彼との間にあった出来事もその感情を加速させました。ある晩、変質者につけられて怖くて怖くて、慌てて家に帰ったら、彼に「ぼーっとしてスキがあるように歩いているのが悪い」って言われたんですよ。言葉ではなんとも表現できない怒りや違和感の感情が生まれてきて。

 そんなことが続いて、当時は女友達があまりいなかったので、相手が彼だろうが男友達だろうが、いつでもどこでも、なんでもかんでも、ジェンダーについての議論をふっかけていき、結果、けんかになり、「何で分かんないんだっ!」ってまた怒って……を繰り返していました。