ゆうこすの影響力が死ぬとしても発信を続けたい

―― 先ほどお聞きしたように、ゆうこすさんのメッセージがモテクリエーターのイメージに反すると思うような人もいるわけですよね。フォロワーが多い中、なぜジェンダーについて発信できるのでしょうか?

ゆうこす ジェンダーのことって、SNSのフォロワーが多い人は発信できない風潮があって。内容によっては叩かれてしまう難しい問題なので、勇気を出して踏み出すほどの思いはないっていう人もいます。でも、そこは誰かが踏み出していかないといけないと思っていて。私はラッキーなことに、インフルエンサーとしてのゆうこすの影響力がもし死んだとしても、会社を立ち上げるなどしているので生きていける環境作りができています。そういう意味でも言いやすさがあるので、進んで発信していきたいですね。

―― インフルエンサーとして、ジェンダーの問題を発信することの難しさも感じていらっしゃるんですね。

ゆうこす そうですね。インフルエンサーは「影響を与える人」ですから、影響力がなくなったら仕事がなくなってしまいます。だからどうしても、自分の思いより相手の気持ちを優先してしまう事も少なくありません。バズるとか、フォロワーにいい子だって思われるということを優先しすぎちゃうんです。

 自分の思いに蓋をしてしまう可能性が大いにある職業なんですよね。ただし、むしろそれをしてしまったらインフルエンサーとして死んでしまうという……。インフルエンサーは自分の個性を応援してもらう仕事ですけど、体ひとつだけで仕事をしていては、自分の本当の意見がどんどん言えなくなってメンタル的にもしんどくなってしまう。だから、ブランドを立ち上げるなり、別の事業をするなりして、違う柱で自分の思いを発揮できるようにしています。これから、SNSで活動する人の間でそういう流れができてほしいなと思いますね。

 ジェンダーについて深く考えるようになったゆうこすさん。自身が掲げてきた「モテクリエイター」の概念も変わってきたと言います。後編ゆうこす「モテクリエイター」の役割、意味が変わったではその詳細について語っていただきます。

「ジェンダーのことって、SNSのフォロワー多い人は発信できない風潮がある。けれど、そこを誰かが踏み出していかないといけないと思いました」
「ジェンダーのことって、SNSのフォロワー多い人は発信できない風潮がある。けれど、そこを誰かが踏み出していかないといけないと思いました」
ゆうこす(菅本裕子)
1994年、福岡県生まれ。アイドルグループを脱退後、ニート生活を送るも自己プロデュースを開始し「モテクリエイター」という新しい肩書きを作り、株式会社KOSを起業。現在はタレント、モデル、SNSアドバイザー、インフルエンサー、YouTuberとして活躍中。10~20代女性を中心に自身のInstagramやYouTubeチャンネルで紹介するコスメ等が完売するなどその影響力は絶大。Instagram、Twitter、LINE@、YouTubeなどのSNSのフォロワー150万人以上。スキンケアブランド「youange」の立ち上げやアパレルブランド「REVEYU」のプロデュースなど事業は多岐に渡る。近著に『#ライブ配信の教科書』(日経BP)がある

取材・文/川辺美希 写真/洞澤佐智子