シェアの普及拡大を進める石山アンジュさんに、シェアの思想やその価値について語ってもらう本連載。個人がスキルや所有物を求める人に提供するシェアリングエコノミーの考え方は世界中で広がっていますが、日本では今、どのようなサービスを利用できるのでしょうか? 今回は、民泊やカーシェアだけではない、ユニークで便利な日本の最新シェアサービスについて教えてもらいました。

シェアサービスで国内の旅はもっと楽しめる

 日本ではいまユニークなシェアサービスが次々と生まれ、さまざまな可能性を生み出しています。例えば観光。農業体験や郷土料理を作る体験などをシェアするサービスが広がっています。地元の人にとっては普通のことが誰かの特別な体験になるはずです。こうしたサービスが広がれば、日本の眠っている地域の資産を生かすこともでき、地方に新たな活力をもたらすことができると考えています。

 実際に便利なシェアサービスがたくさん登場しています。その1つ「TABICA」は地方の暮らしを体験できるサービスです。現地に住む人が家できりたんぽを作る、流しそうめんを食べるといった体験をシェアしていて、旅行者はガイドブックでは見つけられないコンテンツを楽しむことができます。実際に現地で暮らす人とつながれることも観光ツアーにはない魅力です。

「シェア旅はいつもの旅行とは違う経験ができます」と話す石山アンジュさん
「シェア旅はいつもの旅行とは違う経験ができます」と話す石山アンジュさん

 ANAも「シェア旅」を推奨しています。ANAは2018年からシェアリングエコノミー協会やシェアサービス企業と連携した「LOOK for your style」というサイトを開設。ANAを利用する人が快適な「手ぶら旅」をお得にできるよう、旅先で服やカメラ、美容家電などを借りられるパッケージプランやAirbnbなどの民泊をはじめとしたシェアサービスを紹介しているんです。定期的にそうしたサービスを格安で利用できるモニタープランも企画しています。旅行先でシェアを利用すれば、旅のスタイルがガラッと変わります。普段とは違う服を旅先で楽しめたり、海辺の大きな家に泊まることができたりと、普通の旅行とは異なる体験をすることができるんです。