スキルをシェアし、独立の道を探る

 シェアを通じて、新たな仕事を見つけた人も少なくありません。空き部屋を貸したい人(ホスト)と部屋を借りたい旅人(ゲスト)とをつなぐウェブサービスAirbnb(エアビーアンドビー)で、自宅を宿泊場所として提供するホストをしているうちに評判を得て、それが自信となりゲストハウスをオープンした人もいます。料理を作るスキルをシェアしていたら人気が集まって、レシピ本を出すほど成功している人も。自分が得意なことをシェアしてみて、プロとして生きていけるという手応えが得られたら、独立して開業するのもひとつの選択肢です

民泊がきっかけでゲストハウスのオーナーになった人も(写真はイメージです)
民泊がきっかけでゲストハウスのオーナーになった人も(写真はイメージです)

スキルの交換で支え合う暮らし方

 シェアを生活や仕事に取り入れることで、モノやお金に対する考え方も変わります。コミュニティーの中でスキルをシェアして助け合うという、「お互いさま」が循環するような価値観が身に付いていきます。私が住んでいる60人からなるシェアハウス「Cift」でも、住人同士、頻繁にスキルの交換をしています。髪が伸びたら美容師のメンバーに切ってもらい、体の調子が悪ければ、マッサージ師のメンバーに依頼することも。その代わり、私は朝ご飯をみんなのために作ったり、家電を貸したりと、その時々でできることをしています。お金を介さなくても、生活に必要なものが循環しています。