フェミニズム、使わないほうがいいは本当?

 最近、ネットを中心に一部で「フェミニズムという言葉は使わない方がいいのではないか」という主張され、話題になっている。

(編集部注:2ちゃんねる創始者の西村ひろゆき氏がハフポスト日本版のインタビューで「今の日本では『フェミニズム』って言葉を使わないほうがいいように思う」「平等主義者と(男性の権利を制限する)差別主義者が、同じ『フェミニスト』って名前でものを言って、二つがごちゃ混ぜになってしまっているから」と話し、議論を呼んだ)

 いろいろなフェミニストがいるから、フェミニズムという言葉は使わない方がいいというのは本当だろうか? 当たり前のことではあるがフェミニズムとフェミニストは違う。

女性だけでなく、ジェンダーマイノリティーなどの権利も一緒に啓発する運動が求められている
女性だけでなく、ジェンダーマイノリティーなどの権利も一緒に啓発する運動が求められている

 フェミニズムが宗教と同じであるとは言わない。ただ、宗教と信徒が同じではないように、「フェミニズム」と「フェミニスト」は同じではない

 フェミニストは、あくまで「人」である。人はみな違う。もしかしたら、フェミニストを名乗ったミソジニスト(女性や女性らしさを嫌悪する人)もいるかもしれない――。ただ、だからといってそれで「フェミニズム」を否定するのは違う。

 フェミニズムは決して理解しにくいものではなく、とってもシンプルな考え方だ。「ジェンダーやセクシュアリティーに関係なく平等な社会」や「誰も自分の人生を、苦しまずに歩むことができる世界」を目指すことだと思う。ジェンダー、セクシュアリティー、年齢、国籍、宗教、人種に関係なく、全ての人が共存でき、尊重し合う、理解し合おうとする社会を作ることだ。

 そこには変な数式も存在しなければ、とんでもない価値観を押し付けているわけでもない。「女性優遇社会にしろ」とも言っていないし、あるのは「平等な社会を作る」という考え方のみだ。地球市民(Global Citizen)として理解しようとしなければならない。

 フェミニズムやフェミニストという言葉について語るときの問題は単純に、「当事者意識が少ない」ことや、「理解しようとしない人がいる」ことにあると思う。