他人事と思った問題に耳を傾けて
小島さんは上智大学で行われた「大学が性暴力やセクハラにどう対応すべきか」ということをテーマにしたシンポジウムに参加され、「もし、問題に当事者意識を感じられないのであれば、あなたは恵まれていて、優位な立場にいるということです。そして、そういった立場にいるあなたには、物事を変えることが可能だということを分かってください」と発言されていた。
私はこの言葉に感銘を受けた。当事者意識を感じられないのは、つまり無関係と思えるほど恵まれた立場にいるからなのだ。そしてそういう優位な立場にいる人だからこそ、社会や世論を動かし、問題解決に導く術を持っているケースが多い。
もしあなたが、性犯罪の法改正やチリのデモについて、全く関係ない、自分事ではないと思ったら、恵まれた立場にいる可能性が高い。そしてそんな立場だからこそ、物事を解決に導くことができるかもしれない。
他人事と思った問題こそ、分かり合おうと耳を傾けてもらいたい。自分は経験したことがなくても、その痛みや苦しみを分からなくても、少なからず苦しんでいる人がいるということを知ってもらいたい。