「週刊SPA!」の「ヤレる女子大生RANKING」企画に抗議したり、性犯罪の刑法改正を求めて署名を立ち上げたりとアクティビストとして活動する山本和奈さんは、女性や外国人など、声を上げたくても上げられなかった人の代弁者になるべく活動を続けています。そんな山本さんが「ここ、ちょっと、おかしい」と思うことについて、鋭い視点から指摘してくれます。2回目は「当事者意識が薄い人」についてです。

性犯罪の刑法改正に無関心な人が多かった

 私は2019年6月、女性や人権保護を目的に立ち上げた団体「Voice Up Japan」の代表として、性犯罪の刑法改正を求め署名活動を実施した。活動は性暴力被害者団体の「Spring」、国際人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」という2つの団体と共同で実施し、4万5875人分のインターネット署名を法務省に提出した。現在、日本で強制性交等罪の成立には不同意(意に反する)の性行為だけでなく、暴行・脅迫、心神喪失、抗拒不能などの厳しい要件が求められ、ただ「意に反している」だけでは成立しない。そのため泣き寝入りを余儀なくされている被害者も多い。こんな現状はおかしいと思い、立ち上がった。

 ただこの署名活動を通して、院内集会(国会議員会館内の会議室で国会議員や社会の人々に声を届ける活動)などで話をするときに、「自分は関係ない」と聞く耳すら持っていない人が多くいたことに驚いた。院内集会の参加者は年配の男性が大半で、性犯罪のターゲットになりやすい若い女性が少なかったからなのかもしれないが、当事者意識があまりにもなく、話も聞かずに性犯罪を取り締まる法律についてなんら問題がないかのように振る舞っていた。

先日チリの反政府デモに参加した。手に持つのは「チリ、頑張れ」と中国語で書いたプラカード。香港出身なので中国語で書いてみた
先日チリの反政府デモに参加した。手に持つのは「チリ、頑張れ」と中国語で書いたプラカード。香港出身なので中国語で書いてみた