「週刊SPA!」の「ヤレる女子大生RANKING」企画に抗議したり、性犯罪の刑法改正を求めて署名を立ち上げたりとアクティビストとして活動する山本和奈さんは、南米に活動拠点を移し、女性や外国人など、声を上げたくても上げられなかった人の代弁者になるべく活動を続けています。そんな山本さんが「ここ、ちょっと、おかしい」と思うことについて、鋭い視点から指摘してくれます。3回目は「フェミニズム」についてです。

 フェミニズムという言葉を聞いてあなたは何を思う? 女性の権利を訴えること? 男女平等であること? 平等であれと訴えるのはとても大事なことだと思うけれど、それと同じくらい重視すべきは「選択肢を持つ」ことだと思う。

 自分の未来を選ぶこと、自分の体について発言すること、政治も、仕事も、結婚も、将来も、「選択」することができるのがフェミニズムではないのか

 「フェミニストなのにいいの?」

 私は、高校2年生の頃からストリートダンスを習い始め、「ガールズヒップホップ」や「ストリートジャズ」というジャンルを踊るようになった。

ダンスの公演で踊る著者
ダンスの公演で踊る著者

 このジャンルのダンスはかなりセクシーだ。女性の体の特徴である滑らかさやくびれを使う踊りで、衣装も肌を出すものが多い。そんなダンスをしていると話すと、「フェミニストなのにいいの?」と言われることが時々あった。

 ダンスは自己表現の方法であり、何よりこのジャンルのダンスが好きだ。ただ、日本でフェミニストとして活動していると「フェミニストなのに」「フェミニストなんだから」とセクシーなダンスは「やってはいけない」と言われることがある。

 つまり、セクシーな踊りをすることは「誰かを求めている」と定義されてしまう。また、踊ることが目的でクラブに行ったと話すとチャラい、誘っている、パリピ、と思われてしまう

 だが、もちろん女性らしい、セクシーな踊りをしていても、何も「求めて」いなければ、何かの「同意」ではない。クラブに行って友人とお酒を飲んで踊ることは別に誰も「誘って」いないし、その行動で「ヤレそう」などと表現されることはウンザリだ。

 それに、もし「求めて」いたとしても「誘っている」としても、それは問題なのか? それこそ、一人ひとりの「選択の自由」だと思う。フェミニズムというのは、選択する自由があり、その選択を尊重することだと私は思っている。

友人とクラブに踊りに行ったとき。「クラブに行く=チャラい・パリピ」ではなく、行っても守られる権利があり、男性に何かを同意しているわけではないということを伝えたい
友人とクラブに踊りに行ったとき。「クラブに行く=チャラい・パリピ」ではなく、行っても守られる権利があり、男性に何かを同意しているわけではないということを伝えたい