ニューヨーク・タイムズ、ウォールストリート・ジャーナルやエコノミストなどの海外一流誌の記事をもっとスラスラ読めるようになりたい! そんな方向けの実践・英語特訓の連載を展開しているカリスマ英語講師・竹末研一さん。2020年9月には、日経doors有料読者を対象にしたオンラインセミナーを開催。そのエッセンスを分かりやすくまとめて紹介する新連載です。竹末さんが独自で開発した英語読解ノウハウを身に付けましょう!

日経doorsアカデミー 竹末研一先生 英字新聞「読解の超基本」

日経doorsアカデミー連載で上級英語を教えてくれる竹末研一さんが、9月12日にオンラインセミナーを開催しました。竹末さんオリジナルの英文読解法のエッセンスを分かりやすく解説しています。ご活用ください。

英文のクセモノは「コンマ」

 英文におけるクセモノ、それは「コンマ」です。

 なぜならコンマは同じ形をしているのに、全く違うロジックで使われることがあるからです。英語圏の高校生が、コンマの用法に関し、厚さ1cmぐらいの参考書を1~2年かけて勉強していることをご存じですか? それぐらいコンマの用法はさまざまあるのです。

 具体的に例を見てみましょう。

 コンマ前後の文章の関係性がイコール「=」になっていることもあれば、ノットイコール「≠」となって前後の関係性が切れていることもあります。また、分詞構文を示していたり、関係代名詞の継続用法を示していたり……。こうしたさまざまな用法があるのに、どれも「,」とコンマが打たれているだけなので、知識がなければここでつまずいてしまうのです。

 これをどう攻略すればよいのでしょうか。

 私が厚さ1cmのコンマに関する参考書を分析してみたところ、やはり前回記事の「英文法で実際によく使われるのはたったの5%」同様、参考書にある内容のうち、5%ぐらいしか実際には使われていないことが分かりました。

 よく使われるコンマの用法は5種類に大別できます。この5種類の用法を学べば、英文中に使われているコンマの9割5分はカバーできます。これを5つのパターン別にひたすら練習していけば、フィナンシャル・タイムズ紙の記事などの難しめの英文も読みやすくなるでしょう。

 しっかりした文法に基づいて書かれた英文がすっきり読めずにモヤモヤするのは、文章が悪いのではなく、読み手の知識不足が大きいです。

 例えば英国エコノミスト誌は世界中のインテリが「分かりやすい文章だ」と読んでいる媒体です。私たち日本人の多くはその英語のルールをしっかり教わっていないためにその優れた英文で書かれた書籍を読み切れずにモヤモヤしてしまいます。

 これは話し言葉にも共通します。学会発表やレベルの高いビジネス会話になると、英語を自由に操るスピーカーたちは1文が数行にもわたる長文を話すようになります。ここには先ほど述べたコンマのノウハウもよく使われているので、文字に書かれた英文を前から順にすらすらと読んでいけない人にとっては、高度な話し言葉をスムーズに理解することは難しいでしょう。