オールラウンダーエージェントとして活躍する森本千賀子さん、恋愛ナビゲーションアプリを福利厚生で提供しているAill代表を務める豊嶋千奈さんが、日経doors有料会員向けにオンラインセミナーを開催しました。その内容を分かりやすくまとめてお送りします。第2回は、豊嶋さんのキャリア観・結婚観、男性の本音やコミュニケーションにおける傾向についてうかがいます。

社内恋愛が減少している理由

豊嶋さん(以下、豊嶋) 今、私は30代前半です。現実として仕事と恋愛は両立可能かというと、個人的には半分「可能」で半分は「難しい」と感じます。

 仕事をしながら、同時に恋愛にも一生懸命になれればよいのですが、私の場合、仕事に全力投球していると恋愛に時間を割けず、どうもうまくいかないのです。仕事に一生懸命になるほど恋愛からどんどん遠ざかり、その期間が長くなればなるほど「あ、いい人がいた! この人と恋愛したい」と思ったときに「あれ、恋愛ってどうするんだっけ?」という状態に陥ってしまいます。

 23歳で入社ほやほやだった頃の私のキャリアプランをご紹介します。入社後3年間は仕事に全力投球し、そのあとすぐ結婚。産休・育休を取得して、27歳ぐらいで職場復帰し、朝9時から夕方5時半は会社で働き、ずっと製薬会社の社員として過ごす――。実際は退職、起業と、全く違う展開を見せています(苦笑)。

 入社した頃は「社内でいい人に出会えたらいいな」と思っていたのですが、当の男性社員の皆さんは社内恋愛を敬遠しているように感じました。

 その理由を分析してみました。今、社内では男女平等が進んでいます。これ自体はもちろんとてもいいことです。ただ、評価軸も平等で、出世のポスト数は以前と変わりません。つまり、男性は社内の女性を「異性」ではなく「ライバル」として捉える傾向がありました。

 営業成績が上がると、相対的な評価点が上がり、給与も少しずつ上がります。しかし、Aillによる恋愛面のデータを見ると、残念ながら、世の中の男性の8割は「自分より下」の女性を好きになる傾向があります。つまり、好成績を上げる女性ほど、社内恋愛へのハードルが上がるわけです。

 では社外になら恋愛の対象者が見つかるのでは……と思っても、あまりに忙しく、出会う機会がない。実際、私は忙しく働く24時間のサイクルの中でどうやって社外の人と出会うか考えました。

 製薬会社ですから、営業相手は医師です。でも、私はお客さんとの間にそういう関係は持ち込みたくない。そうした思いのはざまで困り果てた20代でした。