連載第3回では、2020年の政治、経済を振り返っていきます。新型コロナウイルスが猛威を振るう中、世界と日本ではどのようなことが起きていたのでしょうか? また、2021年以降、社会はどんな未来へ進んでいくのでしょうか。「イシケンTV-ニュース解説 by The HEADLINE」「The HEADLINE」編集長の石田健(通称・イシケン)さんが解説していきます。

静かなデカップリング

 2020年に注目を集めたニュースは、言うまでもなく新型コロナウイルスによるパンデミックでした。「今年の漢字」に「密」が選ばれ、「流行語大賞」には「3密」が選ばれるなど、年間を通じて、コロナ関連の話題が報道各社の見出しを覆いました。

 一方、7年8カ月にわたる安倍政権の退陣や、米・大統領選における現職大統領の敗北、Black Lives Matter運動の広がり、香港・国家安全法の施行など、パンデミック以外にもさまざまなニュースが飛び込んできました。

 では、こうした出来事を振り返って、2020年はどのような1年だったと言えるでしょうか。4つのポイントから見ていきます。

 まず、国際的に見ると、自国第一主義やデカップリングの流れが、静かに進んだ1年でした。デカップリングとは、米国と中国などが政治・経済的に距離を取り、分離する動きを指します※1※1は記事末を参照