ポイント3:政策以外のスキャンダルを抑えられるか

 政権の成否は、政策の成功だけに限りません。3つ目は、政策以外のネガティブな要素を少なくすることです。安倍政権の後半においては、森友・加計問題や桜を見る会、検察庁の定年延長問題など政策以外のスキャンダルが足を引っ張りました。長期政権のおごりと指摘されながらも退陣には至らなかった安倍政権に対して、スタートして間もない菅政権にとっては、1つのスキャンダルが致命的な痛手となる可能性があります。

 そのリスクは既に生じています。10月に入ってから、日本学術会議に推薦された6人の会員候補の任命拒否が注目を集めていることです。現在のところ、この問題は支持率に大きな影響を及ぼしていませんが、任命拒否を「妥当ではない」と考える人は51%に上っており※8、問題の長期化によっては政権への信頼に影響が出る可能性があります。

[イシケン’s EYE]
学術会議に関する議論は、「学問の自由」や憲法違反、学術会議そのものの課題にまで広がっていますが、問題にすべき論点は「手続きの正当性」のみでしょう。政府解釈に変更があったのか? そのプロセスに首相が関与したのか? 任命拒否の論理を説明する必要はないのか? などが冷静に議論されるべきです。