新連載「イシケンの時事ニュース解説」では、日々飛び込んでくるさまざまなニュースについて、YouTubeのチャンネル「イシケンTV-ニュース解説 by The HEADLINE」「The HEADLINE」編集長の石田健(通称・イシケン)さんが解説。石田さん独自の意見を盛り込んだ「イシケン’sEYE」と併せてお届けします。第1回では菅新政権のポイントを読み解いていきます。

安倍政権から続く高い支持率の菅内閣

 2020年9月16日、安倍晋三前首相の辞任にともない、菅義偉内閣がスタートしました。歴代最長となった政権の後続を担うことから、そのかじ取りは決して容易ではないことが予想されます。

 とはいえ10月5日のJNNによる世論調査 ※1によれば、菅政権の支持率は70.7%と高い水準を誇っており、好調なスタートを切ったことがうかがえます。果たして、なぜ菅政権は高い支持を集めており、どのような点が政策のポイントになってくるのでしょうか。

 菅政権の高い支持率は、安倍政権の終盤から続く流れとして理解できます。安倍政権は、辞任表明の直後に支持率が急上昇しており、共同通信の世論調査※2では支持率が56.9%、朝日新聞の世論調査では政権の評価が71%になる※3など、異例の展開を見せました。

 その高い支持率は、そのまま菅政権に継承されたと言えます。毎日新聞などが実施した世論調査※4によれば、菅政権を支持する理由として「安倍政権の路線を引き継いでくれそうだから」が挙げられています。またNHKの調査※5でも、安倍路線を引き継ぐべきだとする声が、過半数を占めています。2020年の春から夏にかけては過去最低を記録※6していた安倍政権の支持率ですが、長期政権を振り返ればおおむね評価する声が多く、継承路線にも前向きな声が多いと解釈すべきでしょう。

 では菅政権は、安倍政権のどんな政策を引き継ぐことが期待されているのでしょうか。前述のNHKの調査によれば、菅内閣に最も期待することは「新型コロナウイルスへの対応」(25%)と「経済対策」(20%)が上位に来ています。足元のコロナ対策はもちろん、アベノミクスが一定の評価を得ていたこと※7を考えると、菅政権にも経済対策を優先してほしいと望む声が強いと言えます。※1~7は記事末を参照

 こうした背景を踏まえると、菅政権の3つのポイントが見えてきます。