国内外で事業を展開し続ける「マザーハウス」の山口絵理子さん。常に進化し続けている姿に、多くの起業家が「憧れ」を抱いている。あるとき、若い起業家から「山口さんみたいに事業を世界に広げるためにはどうしたらいいですか」と聞かれたという。ビジョンに悩むその起業家に、山口さんが伝えたアドバイスとは?

 マザーハウスという会社を立ち上げて、もうすぐ14年になる。

 家の中で一人絵を描いたり、粘土をこねたりするのが好きだった私は、いつの間にかたくさんの国や地域の仲間と一緒にものづくりをして、日本や海外のお店で売っている。「できるわけない」と言われ続けた14年前には信じられないくらい、私の世界は広がった。

 つい先日、東京の立川にできた新しい店舗も、みんなのおかげでとっても、すてきな空間になった。

 店舗数の拡大や新しい国への事業展開について、「すごいですね」と褒めていただけるのはうれしい。

 でも実は。頭の半分では、「みんながこうならなくてもいいんだよね」と思っている。

「マザーハウスを立ち上げて14年。私の見える世界は、想像を超えるほど広がりました」
「マザーハウスを立ち上げて14年。私の見える世界は、想像を超えるほど広がりました」

 少し前に、ある若者と会って「最適なスケール」について考えたことがあった。