やりたいことの実現に向けて、誰かのまねでも、二者択一でも、折衷案でもない「サードウェイ」を歩き続けてきた、「マザーハウス」の代表取締役兼チーフデザイナーの山口絵理子さん。「今の私にはやりたいことがない」――そんな人もいるだろう。そんな読者に、直筆のメッセージとともに山口さんからシンプルなアドバイス。

 やりたいことがまだ見つかりません。私は今、何に向かって努力したらいいのでしょうか――そんな問いを、若い子から寄せられることがあります。

 私自身の20代を振り返ると、大学時代に初めて行ったバングラデシュで「ジュート」という麻素材に出合い、「この黄金の糸を、もっともっと輝かせたい」と、夢の種を育てようとしていた。

 そんなふうに夢中になれるものを早くにつかめる人は決して多くないのだから、私は幸運だったのかもしれないなと思う(たくさんたくさん、苦労もしてきたけれど)。

やりたいことが見つからないうちにやるべきこと

 出会いはいつ訪れるか、分からない。

山口絵理子さんが言いたいこと。「夢や目標をつかめるタイミングも、人それぞれ。焦る必要はないよ」
「夢や目標をつかめるタイミングも、人それぞれ。焦る必要はないよ、と私は言いたいです」

 じゃあ、「そのとき」がまだ訪れない間に、何をしていたらいいのか?

 私が贈りたいアドバイスは一つ。

 体を鍛えて、体力をつけよう。

 拍子抜けさせてしまっていたら、ごめんなさい。意外に受け止められるかもしれないけれど、私は本気の本気で体力づくりを勧めたいと思っているのです。