生理中の痛みや出血量の多さと共に女性を悩ませているのが、生理前に心身に不調を来すPMS(月経前症候群)。避妊だけでなく、生理痛の治療目的で服用される低用量ピルには、PMSの症状を軽減する効果もあります。低用量ピルがPMSの症状を改善する理由や、PMS対策で低用量ピルを飲むときのポイントについて、産婦人科医の遠見才希子さんと八田真理子さんに聞きました。

女性ホルモンの増減がイライラ・不調を引き起こす

 PMS(月経前症候群)とは「Premenstrual Syndrome」の略で、生理が始まる10日前くらいから始まる身体的、精神的な不調を指します。体のだるさ、むくみ、胸の張り、肌荒れ、下痢などの体の不調や、イライラする、気持ちが落ち込むなどの心の不調です。生理が近づくと体が重くなったり、ニキビが増えたりという目に見える症状が現れる人もいれば、いつもより家族にきつくあたってしまうなど、なんとなく気持ちの乱れを感じている人もいるでしょう。

 「PMSの原因は、女性の体の周期によるホルモンの増減だと言われています」と話すのは、産婦人科医の遠見才希子さん。「月経周期の中で女性の体内のホルモン量は変化します。卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)の量が増えると、脳から卵巣にLHサージという『排卵の指令』が出されます。排卵が起こると、エストロゲンとプロゲステロン(黄体ホルモン)の値が上がり、子宮内膜がフカフカに厚くなり、受精卵を迎える状態になります」

 エストロゲンとプロゲステロンが子宮内膜を厚い状態に保ちますが、妊娠をしないとエストロゲンとプロゲステロンの値が下がり、子宮内膜が剥がれて、生理が起こります。

 「PMSの原因は諸説ありますが、いろいろなことが複合的に重なって起こり、⽣理前にプロゲステロン値が上昇したり急激に低下することが誘因の一つと⾔われています。エストロゲンとプロゲステロンの値が下がって生理が始まると、PMSの症状は良くなるという仕組みです」。つまり、下図のプロゲステロンが上がって下がるタイミング(4・5の⻩⾊い帯部分)でPMSが起こるのです。