doorsアカデミー 宋美玄先生 働く女性のための 体と性のほんと
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5性感帯の本当 2人の夜の生活、希望をうまく伝えるには
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6コロナ禍での妊活 不妊治療の保険適用、何が変わる?
こんにちは。産婦人科医の宋美玄です。知っているようで案外知らない自分の体のこと。気になる体の不調や性に関する悩みがあっても、「思い込み」から適切な対処ができなかったり、過度な不安を感じたりしている人もいるようです。この連載を通じて、働く女性が毎日をよりよく過ごすために役立つ、体や性の話題をお届けします。
生理は「痛いのが当たり前」ではない!
婦人科は、妊娠したときに行くところだと思っていませんか? 深刻な不調があって初めて診てもらうところだと考えている人もいるかもしれません。「調子が悪いわけでもないのにわざわざ時間を割いて病院に行くなんて……」という気持ちは分かります。けれど、婦人科に行かないことで適切な対処が遅れ、病気の兆候を見逃してしまうこともあります。
不調を感じたとき、気軽に相談できるかかりつけのクリニックを持ったり、定期的にクリニックに通う習慣をつけたりすることは、健康を保ち、結果的にさまざまな意味で時間のロスを防ぐことにもなることを知ってほしいと思います。
私は2017年、東京駅近くで「丸の内の森レディースクリニック」を開業しました。周りはオフィスビルという環境から、勤務時間の前後やランチタイムを利用して受診する女性が大半です。クリニックのHPや私個人のSNSで「生理痛撲滅!」と発信していることもあり、生理についての相談が多いことに手応えを感じています。
生理は、痛いのが当たり前ではありません。痛い、経血の量が多いといった、生理に伴う不調を「月経困難症」といい、子宮内膜症や子宮筋腫といった病気のサインかもしれません。そうでなくとも、つらい状態をそのままにしていいものではありませんから、治療の対象になります。
「生理はつらいもの」という思い込みで我慢をして、心身を振り回されるのはもったいないことだと私は思います。この状態を放っておくと、将来の妊娠の可能性に影響することもあります。将来子どもが欲しいと思ったときのリスクを最小限にし、充実した時間を過ごすためにも、小さな変化でも体に違和感があったときは早めにクリニックで診てもらいましょう。
次から、婦人科選びや受診のコツについて詳しく解説していきます。