前編では、相談者がなぜ結婚に良いイメージを持てなかったのか、結婚に一歩踏み出せないでいる悩みを聞きました。後編では、最近婚活を始めた相談者の「この人と結婚しても大丈夫なのか」という悩みから、信頼できる相手の見極め方まで、今婚活中の人にも役立つアドバイスを、精神科医のTomyさんに聞きました。

【前編】39歳独身、精神科医Tomyに悩み相談「結婚が不安です」
【後半】精神科医Tomy「結婚は宿題じゃない。しなくてもいいのよ」 ←今ここ

精神科医Tomy
精神科医Tomy
1978年生まれ。某名門中高一貫校を経て、某国立大学医学部卒業後、医師免許取得。精神科病院勤務を経て、現在はクリニックに常勤医として勤務。近著『精神科医Tomyが教える1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』『精神科医Tomyが教える1秒で悩みが吹き飛ぶ言葉』(ともにダイヤモンド社)は、シリーズ累計10万部突破。

「この人と結婚しても大丈夫なのか」不安になってしまう

小野亜子(以下、小野) これまで結婚しないと決めて生きてきたのですが、35歳を過ぎた頃から『結婚してもいいかな』と思い始め、最近は婚活を始めました。ただ、不仲だった両親を間近で見て育った経験もあり、「この人と結婚しても大丈夫なのか」「信頼できる人なのか」を見極める方法が分かりません。

精神科医Tomyさん(以下、Tomy) 基本的には、信頼できる人かどうかなんて、分からないのよ。「信頼できる人」を探すのではなく、相手を「信頼していく」ものなの。

 「相手のことを信頼できないと嫌だ」「うまくいかなかったらと考えると怖い」――、その気持ちもよく分かります。けれど、物事は一歩踏み出さないと進んでいかない。結婚に対して、もっと自然体でいていいと思いますよ。

小野 進まないといけない、とは頭では分かっているのですが、「この人でいいのかな」とつい考えてしまって、一歩踏み出せないんです……。

Tomy 考える前に、一歩踏み出しちゃうんです!(笑)いきなり相手を「大好き」になんて、ならなくていいの。「嫌いじゃない」くらいでいいと思うの。「この人でいいんだろうか?」なんて、もっと進んだ段階で考えればいいのよ。

 結婚するまでに熟慮していたら、結婚に踏み出せなくなってしまう人もいるわ。多くの人は熟慮して結婚したわけではなく、「流れ」や「勢い」、「好きだから」「お互いがいいと思ったから」、それだけで結婚へと進むことがある。考え過ぎても何かが変わるわけではないし、考えている時間がもったいないと思うわよ。

「結婚式の近いの言葉、どうしてみんなは簡単に誓えるんだろうと思っていました」(小野さん)写真はイメージ
「結婚式の近いの言葉、どうしてみんなは簡単に誓えるんだろうと思っていました」(小野さん)写真はイメージ

小野 結婚式で、「健やかなるときも、病めるときも~~」と誓いの言葉を述べるじゃないですか。なんでみんなそう簡単に誓えるんだろう、と不思議に思っていて。もしかしたら、それほど深く考えていないのですか……?

Tomy そうよ。それは日本の結婚式のお作法だからよ(笑)。結婚すると決めたからには、「可能な限り、結婚生活を頑張ります」という誓い。もちろん許せないことも起きるかもしれないけれど、お世話になった人たちに結婚することを紹介する儀式だから、それでいいの。気軽に誓い過ぎるのもどうかなとは思うけれど、考え過ぎよ。真面目に捉え過ぎね。

 まず、自分が相手を「信頼する」と決めたら、「この人、なんか好きだな」「この人といて楽しいな」「面白そうだからデートしよう」――、入り口はそれくらいのノリでいいのよ。「友達に紹介できるかな」「親に紹介できるかな」とかね。先にあれこれ考えてしまったら、チャンスがなくなるわ(笑)。逆に「この人といると楽しい」「面白いな」という思いを抱けない人は、やめておいたほうがいい。

 意外と大事なのは、「出会う場所」。遊び目的な人が多い場所で出会った人を、最初から信用するには無理がありますからね。

 そうやって出会いの場を広げていったら、次は何かあったときの「デッドライン」も用意しておくといいわね。

小野 デッドライン?