「ありのままの自分」を好きになって

 「ありのままの自分」だなんて、自信がない……と思う人もいるかもしれない。私も幼い頃、自分の体形にネガティブな感情を持っていたときがありました。

 私は父が外国人で、母が日本人。日本で育ち、小学生の頃は「自分がハーフである」ことで嫌な思いをしました。すごく大きないじめに遭ったわけではないけれど、好奇の目で見られていたことは確かです。運動会の集合写真では、私だけ足がものすごく長くて、周りから浮いていたの(笑)。

「幼い頃のネガティブな体験も、自分の糧になっていると思う」
「幼い頃のネガティブな体験も、自分の糧になっていると思う」

 幼い頃はその体形がコンプレックスでもあったけれど、いつしかそれは「武器」になりました。10代でモデルになったとき、パンツスタイルの撮影を多くいただけるようになって。デニムを1日に100本はくこともありました。現場でスタイリストさんやスタッフの方たちが「MALIA.ちゃんしかできないことだよ」と褒めてくれ、私のありのままを認めてくれたおかげで、少しずつ自信が持てるようになっていきました。

 その経験は、今すごく生きていると思う。子どもたちや、周りの人たちだけでなく、私が携わるブランドのスタッフにも、みんなの前で褒めるようにしています。本人にとっては自信がないポイントでも、実はすごく魅力的なこともある。だから、「隠さなくてもいいんだよ」「私から見たら、すごくすてきよ」ときちんと言葉にして伝えるようにしています。だって、もっと「ありのままの自分」を好きになってもらいたいんです。みんな、そのままで十分チャーミングなのだから。

 幼い頃にネガティブな体験をした私だったけれど、ありのままを認めてくれる人たちの存在に救われた。私もそうやって、ポジティブなバトンを渡していきたいなと思います。

「自分と向き合う時間を大切に、ね」
「自分と向き合う時間を大切に、ね」

 後編では、独身女性が抱える「結婚・育児・仕事の両立に対する不安」や、MALIA.さん流の「自分のご機嫌の取り方」を聞きました。引き続き【後編】もお読みください。

取材・文/尾崎悠子(日経xwoman doors)写真/稲垣純也

後編「MALIA.不安は可視化しポジティブに情報を取る」では、次のストーリーを展開

■育児の「大変さ」より「幸せ」を伝えたい
■自分の中で優先順位が高いものを考える
■忙しい毎日でも美しくいる秘訣は
■自分の機嫌は自分で取る
MALIA.
モデル
1983年、横浜市生まれ。10代から数々の女性誌で活躍してきた人気モデル。現在は実業家として、ブラジリアンワックスサロンの先駆けである「Moalani Wax」の経営、アパレルブランド「ANELATOKYO」、を手掛けるなど、活躍の場は多岐に渡っている。三男一女の母。アラフォーになっても変わらぬスタイルからは、美容系の実業家としてのプロ根性も感じられ、自己プロデュース力も高いキャリアウーマンの顔をのぞかせている
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