人の数だけ悩みもある。どんなに年を重ねても、悩みの種は尽きません。あなたの悩みに寄り添う連載、今回は20代女性の「キャリアと結婚と出産、手に入れるには、どれかを諦めないといけないの?」というお悩みです。

【前編】「キャリアと結婚と出産 どれかを諦めなきゃだめなの?」 ←今ここ
【後編】「Waris田中美和 未来も結婚も『発信』が大事

ネガティブ思考だった自分を乗り越え、夢を見つけた

 都内の大手インターネット関連企業で働く伊藤詩織さん(仮名、27歳)には、将来の大きな目標がある。それはキャリアカウンセラーになること。今は、資格取得を目標に、就業後に勉強をしたり、オンラインセミナーやコミュニティーに参加したりと、夢の実現に向けてまい進している。

 そんな伊藤さんは、かつての自分を「自己肯定感が低く、ネガティブ思考でした」と振り返る。入学を希望していた大学の受験に失敗したことから始まり、入社直後に配属された部署で思うように力が発揮できず、次第に「自分は何もできない人間なんだ」と思うようになっていった伊藤さん。

 そんな自分を変えたいと一念発起し、会社を休職して海外でのボランティア活動に参加。帰国後は部署異動を志願し、1年間の海外駐在も経験した。チャレンジし続け、日本とは違う環境で知見を深めていくうちに、伊藤さんに変化があった。「挑戦すると、できることが増えるのだと分かったんです。気が付くと、『どうせ私なんて』と思わなくなっていました

 かつての自分のように、自信がなく一歩踏み出せない人の役に立ちたい。その思いで、キャリアカウンセラーの道を目指すことを決めた伊藤さん。ここまで聞くと順調のように思えるが、彼女には今、悩みがある。