前編では、20代女性の「将来の夢を父が反対する」という悩みについて、心理カウンセラーの石原加受子さんに回答いただきました。後編では、やりたいことに反対をする親との付き合い方や、親と上手なコミュニケーションの取り方などについて話を聞きました。

【前編】「将来の夢を猛反対」心配な父と夢追いたい娘 解決策は
【後編】親子であっても他人さま 感謝の気持ち持てば自立できる ←今ココ

 前編に続き、心理カウンセラーの石原加受子さんに回答いただきました。やりたいことに反対をする親と、どう付き合っていけばよいのでしょうか。また、親とうまくコミュニケーションを取る方法も聞きました。

親子でも「話し合いの場」は重要

 何かに挑戦しようとしたとき、自分の意思を優先できず、反対する親の意見に従ってしまう――。これは、自分自身が頭の中で「失敗したらどうしよう」「何かアクシデントが起きたらどうしよう」などとマイナスに考えてしまっている状態だから起きること。そして「何か起きたときに、一人ですべて解決しなくてはならないのでは」と思っているから、一歩踏み出すのが怖くなり、自分の意見を反対されても従ってしまいます。

 そこで不可欠なのは「自分は一人じゃないんだ」という「安心材料」です。「安心材料」とは、いわば心のよりどころのこと。「何かあったら帰ってきていいよ」「困ったことがあったら連絡してね」。そう言ってもらえたら、安心して前に進めますよね。

 あるいは、「3年挑戦してみて、だめだったら別の道を考えようか」などと話し合いをし、協力を得られる親子関係であることも安心につながります。もしも日ごろから話し合う習慣が自分の家族にないのなら、「自分からその場をつくっていく」ように動いてみてほしいと思います。

 話し合いの場が持てたら、次は伝え方。「自分の意見を尊重してもらうために、どういったアプローチをしたらいいか」「どのような表現の仕方をすれば伝わるか」「けんか腰にならないように伝えるにはどうしたらよいか」。これは、社会で生きていく上で必要なスキルと同じです。仕事でも、自分の意見を伝えたり、相手が分かりやすい説明を心がけたりとコミュニケーションを図りますよね。親子関係も同じです。

「仕事では相手が分かりやすい説明を心がけるなどコミュニケーションを図りますよね。親子関係も同じです」(石原さん)
「仕事では相手が分かりやすい説明を心がけるなどコミュニケーションを図りますよね。親子関係も同じです」(石原さん)

 面と向かって話すと自分の気持ちがうまく言えない人は、まずはLINEなどショートメッセージを使うのもいいですね。短いメッセージで気持ちを伝える練習を始めていけば、だんだんと自分の意思を相手に言えるようになっていくはずです。

 相談者さんは、話し合いの場を自分から持とうと努力しています。もしかしたら、父親に自分の思いを伝えるときに「また反対されたらどうしよう」と身構えてしまっているかもしれません。そんなときは、直接話すのではなく、短いメールのメッセージで伝えてみてください。