周囲の雑音を消すには「自分の好きなものを増やす」

 20代も後半になってくると、周囲からの「いつ結婚するの?」といった雑音や、友人たちが結婚するから「自分も結婚しなきゃいけないのかな」といった気持ちもあると思います。

 そんなときは、恋愛や仕事だけに重きを置かず、「自分の好きなものを増やす」と、自然とそういったことを考えなくて済むようになるんじゃないかな。それは自信にもつながると思います。

 「自信になるなんて、そう簡単に言わないでよ」と思うかもしれない。けれど、「好きなもの」はなんでもいいと思うんです。アイドルでも、食べ物でも。好きなことに没頭している間は考える隙なんてないし、自分のことも好きになれるし、何より自分自身を大事にしようと思えるようになるはず。

 私は「好きなこと」が多いんです。ジャニーズのグループ「KAT-TUN」や、アニメ「名探偵コナン」……。その「好きなこと」でつながった人とは、年齢や性別を問わず話が合うし、いくつになっても盛り上がれます。私が高校3年生のときに知り合ったKAT-TUNファンの友人とは、20年たった今でも仲良し。当時中学3年生だった彼女は今、結婚していて、子どももいて、離れた場所に住んでいる。そんな彼女は、会っているときに「家庭の話」を出さないし、私もあえて聞いたりはしません。

 私が、「ぼる塾」のメンバーである酒寄希望さん(現在育児休業中)と仲が良い理由も、そこかもしれません。酒寄さんは結婚して子どもがいますが、話をしていると彼女が結婚していることを忘れてしまうほど。いつもお互い好きなアニメの話や、おいしいものの話で盛り上がっています。まだお子さんも小さいので育児も大変なはず。けれど、私の前では、家庭や育児の愚痴を言わないでいてくれる。だからいつまでも仲良くいられるのかな、って思うんです。

「好きなこと」に夢中になれる今が幸せ

 結婚願望は、全くないんですよ。「いつか、いい人がいれば」とは思いますが、今はそれよりも楽しいことが多過ぎて。

 過去に自分が恋愛をしていたときを思い返すと、しんどかったんですよね。なぜなら、恋愛に気持ちをすべて持っていかれてしまうから。相手の行動や発言に振り回されてしまうこともあったし、何も手に付かなくなることもありました。恋がうまくいっているときはいいけれど、うまくいっていないときは仕事がおろそかになってしまうかもしれない。今、そうはなりたくなくて。

 だから、好きなことを心から楽しんでいられる今はすごくバランスが取れていて、幸せだなあと思いますね。

 後編では、ぼる塾結成までの話や、彼女たちがNGにしている仕事のワケを聞きました。さらに、すべての女性たちに読んでほしい、「年齢」についての話も。引き続き【後編】ぼる塾・田辺智加 嫌なことは「まぁね~」と聞き流してもお読みください。

取材・文/尾崎悠子(日経xwoman doors) 写真/稲垣純也 イメージ写真/PIXTA