人の数だけ悩みもある。どんなに年を重ねても、悩みの種は尽きません。あなたの悩みに寄り添う連載、今回は20代女性の「友人から『いつ結婚するの?』と聞かれるのがしんどい」というお悩みです。お笑いカルテット「ぼる塾」の田辺智加さんに回答していただきました。

【前編】ぼる塾・田辺智加に聞く「結婚はいつ?」雑音を消すには ←今ここ
【後編】ぼる塾・田辺智加 嫌なことは「まぁね~」と聞き流して

「恋愛の次は結婚」じゃないとダメなの?

 「恋愛のその先は、必ずしも『結婚』じゃないとダメなのでしょうか」。そう話すのは、都内の広告代理店で働く新田志穂さん(27歳、仮名)。

「現状に満足はしてる。でも、ふと周りを見渡すとこれでいいのかなって」 (写真はイメージ)
「現状に満足はしてる。でも、ふと周りを見渡すとこれでいいのかなって」 (写真はイメージ)

 新卒で入社した会社は、今年で5年目になる。仕事内容も、収入にも不満はない。職場の人間関係は良好で、上司も優しく、常に気にかけてくれる人だ。

 同期の中には、やりたいことを見つけて転職していった人もいる。会社を去る同期を目にするたび、志穂さんは「私はずっとこのままでいいのだろうか」「新しいステップに進んだほうがよいのではないか」と、将来に対して不安になる。

 「でも……、その不安を埋めるために何かをしているわけではないんです。ただ毎日が慌ただしく過ぎていってしまって」

 職場には、小さな子どもを持つ女性も多く働いている。男性も育児休業を取る人が多い。子育て世代に理解が厚く、支援もしっかりしている会社だ。けれど志穂さんは、「自分には子育てをしながら働く自信がない」と言う。

 「会社が、働きやすい環境を整えてくれているのはとても理解できます。でも、体制は整っていても、実際できるかどうかは別だと思っていて。

 仮に私がいつか出産し、時短で働くことになったら、フルタイムで働けていない自分をふがいないと感じてしまうはず。子育てをしながらもフルタイムで働く人がいたら、『あの人はできているのに』と思ってしまうかもしれません。何もかも完璧を目指したい、と思ってしまうんですよね」

同棲と結婚は何が違うの

 志穂さんには、付き合って1年になる彼氏がいる。昨年、コロナ禍の中でマッチングアプリを通じて知り合った。緊急事態宣言中で外出自粛要請が出ているときにオンラインデートを重ね、やがてお付き合いするように。

 その後も繰り返し外出自粛となる日々が続くうち、「一緒に住んだほうが、いいんじゃない?」と、どちらともなく意見が一致。今は、同棲して半年になる。

 「彼と出会う前は、結婚願望があった」という志穂さん。けれど同棲して半年がたった今、「『結婚』と『今の同棲生活』と、何が違うんだろう」と、ふと考える。

 「最近では、『結婚は必ずしなければいけないもの』ではないんじゃないかな、と思うことも。かつて持っていた結婚願望も、だんだんと薄れてきているような……」