飄々(ひょうひょう)としたキャラクターで人気のタレント、高田純次さん。今回は、高田さん自身の20代を振り返ってのお話や、私たちが抱える普遍的な悩みについて回答してくれました。

【前編】高田純次 人生はバランス 生き方に正解はない ←今回はここ
【後編】高田純次 叱って伸びるはウソ 他人と自分もっと褒めて

 テレビのバラエティー番組などで見せる飄々とした発言とたたずまいから、「適当男」の異名を持つ高田純次さん。どんな相手にも臨機応変にユーモアで返す姿は見事なほど。その高田さんの著書『50歳を過ぎたら高田純次のように生きよう 東京タワーの展望台でトイレの順番ゆずったら本が出せました』(主婦の友社)では、人生におけるさまざまな悩みを、ちょうどいい力の抜け加減で答えてくれています。

 一見、「いい加減」で「適当」と思える回答の数々を読んでいると、「人生、もっと気楽に生きていいのかも」と思えてくるから不思議です。今回高田さんは、そんな「適当すぎる発言」を絡めつつ、私たちが抱える普遍的な悩みについて答えてくれました。

高田純次さん
1947年、東京都生まれ。俳優、タレント。1977年、劇団「東京乾電池」に入団。「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」(日本テレビ系)にレギュラー出演し、全国的な人気者になる。「いい加減」で「適当」と評される芸風で、幅広い層から親しまれている。近著に『50歳を過ぎたら高田純次のように生きよう 東京タワーの展望台でトイレの順番ゆずったら本が出せました』(主婦の友社)。


言われ続けた「適当男」どう思ってる?

 えっ? 俺って「適当」だと思われているの? 聖人君子じゃなくて? これまでずっと、「高田さんって真面目で堅物ですね」と言われてきたんだけれど、おかしいなぁ。それ、誰かほかの人と間違えているんじゃない?(笑)

「常にしゃべってないと死んじゃうの。無口でいられないの」
「常にしゃべってないと死んじゃうの。無口でいられないの」

 「適当男」と呼ばれるようになったきっかけは、精神科医の和田秀樹先生と対談した『適当論』(ソフトバンク新書)じゃないかなあ。俺が付けたタイトルではないんだけれど、でも「適当」って良い言葉だと思うよ。

 世間では、「適当」に少しマイナスなイメージもあるじゃない。辞書で「適当」を引いてみたことがあるんだよね。意味は、「ちょうどよく合うこと」「ふさわしいこと」――。うまくパズルが当てはまるとか、針がいいほうに触れるとか。

 俺、黙っていたら真面目な人に見られちゃうの。それがいやだから、つい下ネタを話しちゃうんだけど(笑)。

 「適当」もバランスが大事だよね。人には、欠点を見せるようにしているかな。だって、自慢話ばかりしたら嫌がられるでしょ。だから、あえて情けないことを話したりするね。