人の数だけ悩みもある。どんなに年を重ねても、悩みの種は尽きません。あなたの悩みに寄り添う連載、今回は20代女性の「周りと比べてしまい、つい負の感情が湧き上がってしまう」というお悩みです。2017年に乃木坂46を卒業し、現在は心理カウンセラーとして活動する中元日芽香さんに回答していただきました。

【前編】元乃木坂46中元日芽香 人と比べず自分に集中する方法 ←今ココ
【後編】乃木坂中元日芽香 過食症、適応障害経てカウンセラーに

転職するも、最低な上司に遭い体調崩し休職

 1年ほど前に体調を崩し、休職していたという彩夏さん(仮名、27歳)。地元・名古屋の大学を卒業後、就職。本社が東京にある会社だったが、配属先は名古屋支社に。その後、2社目である大手メーカーへの転職を機に、2年前に東京へ出てきた。ずっと憧れていた東京。けれど転職して早々、上司とそりが合わないことが原因で体調を崩してしまったという。

 「今の会社に入社して半年ほどたったとき、大きいクライアントの案件を任されたんです。前職と今では業界も違うので、私はほぼ未経験からの入社のようなもの。正直戸惑いました。とはいえ任された以上、一生懸命私なりに取り組みました」

 30代半ばである男性上司Aの、「しっかりサポートするから」という言葉を信じて仕事を進めていくも、蓋を開けてみるとサポートもバックアップもほとんどない。彼は目先の数字を上げることだけに必死だ。男性上司Aからのコミュニケーションといえば、「数字を上げられる案件はない?」と聞いてくるだけ。

 長い付き合いだというクライアントからの要望に対して、まだ入社半年の自分の知識量は追いつかない。一人でこなせる量やスピードには限界があるし、とても一人では回せる案件ではなかった。

 それでも朝から夜遅くまで毎日必死に対応する日々を送る彩夏さん。意を決して「自分一人では背負いきれないので、人員を増やすか、担当を変えてほしい」と願い出るも、聞き入れてもらえなかった。

 ある日、その男性上司Aに「ここまでやりましたので、この先はお願いしてもいいでしょうか」と仕事を依頼したことがあった。そのとき返ってきた上司からの言葉に、彩夏さんは驚いた。そして張り詰めていた何かがぷつん、と切れた。