2022年10月21日(金)からAmazon Prime Videoで配信されるオムニバスドラマ『モダンラブ・東京~さまざまな愛の形~』。その中の一作品『息子の授乳、そしていくつかの不満』で主人公の高田真莉を演じる水川あさみさんに、作品を通して仕事観や妥協したくないものについて話を聞いた。
自分の中の優先順位が明確になってきた
『モダンラブ・東京~さまざまな愛の形~』は、多様な愛と絆が描かれるオムニバスドラマ。マッチングアプリでの出会いやセックスレス、シニアラブ、国境を越えた恋など、多岐にわたる。その中の一作品『息子の授乳、そしていくつかの不満』で、水川さんは仕事と子育ての両立に奮闘するキャリアウーマン高田真莉を演じている。
ドラマの中で水川さんが演じた真莉は、育児に対して頑固な一面を持っている女性。母乳での授乳が息子への大切な愛情表現だと信じ、仕事中も搾乳機を手放さない。しかし母親やパートナー、友人、偶然飛行機の中で隣り合わせた人からの助言やさまざまな出来事から、張り詰めていた心に小さな変化が現れていく。
真莉と同様に、水川さんが俳優人生の中で頑固な思考になってしまっていた時期はあったのかと尋ねてみると、「今は頑固にならないように柔軟さを大切にしているけれど、若い頃はそうだったかもしれない」と言う。
「仕事を始めたばかりの20代は、とにかくがむしゃらに仕事をしていましたね。『たくさん仕事をこなさなきゃ』という考えにとらわれて、かたくなになっていた自分もいたと思います。
30代に入ってから、徐々に仕事に対する考えが変わっていきました。何か大きな出来事があったわけではありませんが、個人事務所を立ち上げたのは、一つのきっかけでもあります。
自分のやりたいことや、ドラマや映画、舞台などの作品と、どう向き合ったらいいか。作品に携わる人たちとどう付き合い、どう関わっていきたいか――。自分の中の優先順位がだんだんと明確になってからは、かたくなにならずに仕事ができていると思います。
『今はこれが必要』『これは必要ではないな』と状況によって判断し、時には手放すことも大事です。優先順位をうまくつけていくのがコツかもしれません」