人の数だけ悩みもある。どんなに年を重ねても、悩みの種は尽きません。あなたの悩みに寄り添う連載、今回は30代女性の「体形に合わなくても、自分が気に入った服が着たい」というお悩みです。モデル、YouTuberとして活躍する、うさたにパイセンさんに回答していただきました。

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【後編】うさたにパイセン ニキビに悩み劣等感 変わったワケ

コロナ禍で太ったおなか 妊婦さんと間違われて

 「先日、買い物をしていたら、妊婦さんに間違われたんです。妊娠はしておらず、ぽっこりおなかの正体はお肉ですが」。そう笑って話すのは、都内のIT系企業の広報で働く麻衣さん(仮名、38歳)。昨年の春から仕事は完全リモートワークになり、体重は半年で5キロ増えた。

 「通勤だけでも往復で8000歩ほど歩いていたのが激減。さらに外出自粛のストレス発散は『おいしいものを食べること』。当初1~2キロの増加ならすぐに戻せるかなと思っていましたが、さすがに5キロとなるとなかなか元の体形に戻らなくて。最近では怖くて体重計に乗っていないのですが、もしかするとさらに増えてしまっているのかも」

コロナ禍で体重が激増してしまった……(写真はイメージ)
コロナ禍で体重が激増してしまった……(写真はイメージ)

 その日麻衣さんは、お気に入りのワンピースを着て買い物をしていた。コロナ禍で新しい服を買う頻度もぐっと減ったが、このワンピースはデザインも素材も色も一目ぼれ。「出かけるときは、もうこの1着だけあればいい」と思うほどだった。

 買い物のお目当ては、とある生活雑貨店。扱う商品の単価が少々高いのだが、「コロナ禍の気分転換に」とルームフレグランスを購入したことをきっかけに、すっかりハマってしまった。この日も、日ごろのご褒美もかねてアロマキャンドルを購入。会計をし終わったとき、店員さんから屈託のない笑顔で思わぬ一言を投げかけられた。

 「赤ちゃん、いつ生まれるんですか?」

 驚いた。こんなとき、なんと返したらいいのだろう。自虐せず、店員さんも傷つけず、笑いに持っていけるような気の利いたセリフって何だろう。しかしとっさに何も思いつかず、麻衣さんは「いえ、違うんです……」とだけ言って、苦笑いした。

 店員さんに、悪気はなかったはずだ。何度かその店で買い物をするうちに、店員さんも顔を覚えてくれていたのだろう。きっと、お祝いの気持ちを伝えたかったに違いない。でも実際はおめでたでもないし、「太った」と言われたかのような気がしてしまい、なんだかモヤモヤする。そこで帰宅後、同じように「妊婦さんに間違われたことがある」人がいないかネットで調べてみた。

 「仲間」はかなりいた。電車内で席を譲ってもらった人、スーパーで荷物の入ったカゴをサッカー台まで運んでもらった人……。読んでいて、麻衣さんはふと、ある共通点があることに気づく。