ロールモデルは、いろいろな人の「いいとこ取り」

 私も、相談者のリサさんと同じ。仕事や人生の「ロールモデル」としている人は、いません。ロールモデルといっても、その人と性格も考え方も育ってきた環境も違うから、同じようにはなれないですよね。

 ただ、誰か一人の人を「こうなりたい」と目指したことはありませんが、出会う人たちのいいところや、すてきだなと思う考え方を見つけては、少しずつ「いいとこ取り」をしています。

 「ロールモデル」がいないのなら、無理に見つけようとしなくてもいいんじゃないかな。会社や周りの環境にいなければ、テレビや映画に出ている俳優さんでもいい。私のように、いろいろな人の「いいとこ取り」をしてもいいのではと思います。

 でも、自分の境遇と似たような人がいたり、先に経験した人がいたりすると安心感はありますよね。特に20代、30代は仕事もプライベートも忙しく、あれもこれもと抱えているものが大きな時期。と同時に、まだ見ぬ将来や、周囲の反応、さまざまなことに対して不安も多いはずです。私も、「相手がどう思っているのか」をすごく気にしてしまう時期がありました。そんなとき、私は母から言われた言葉があります。

 それは、「死なないから、大丈夫よ」。確かにそうだなと納得し、この言葉に気持ちが救われました。