人の数だけ悩みもある。どんなに年を重ねても、悩みの種は尽きません。あなたの悩みに寄り添う連載、今回は20代女性の「職場の同僚と反りが合わず、転職すべきか」というお悩みです。お笑いトリオ「四千頭身」の後藤拓実さんに回答していただきました。

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【後編】四千頭身・後藤拓実「嫉妬心は燃やさず受け止めるだけ」

お笑いトリオ「四千頭身」の後藤拓実さんに回答していただきました
お笑いトリオ「四千頭身」の後藤拓実さんに回答していただきました

反りが合わない同僚 かつてのトラウマがよみがえる

 都内の印刷会社で働く結衣さん(25歳、仮名)。通販カタログを手がける部署に配属になって、2年になる。結衣さんが今の会社に転職してきたときに、心に誓ったことがある。それは「いつも朗らかでいること」。

 最初に入った会社では、すぐ不機嫌になる上司や先輩が多かった。慌ただしく業務に追われ、余裕が無くなっていたのだろう。八つ当たりは日常茶飯事。新入社員だった結衣さんは、常に周りの顔色をうかがい、機嫌を取り、それだけで疲れ果ててしまっていた。精神的に参ってしまい、入社から1年に満たなかったが退職。

 「自分の機嫌は自分で取れる人にならねば」。転職後、かつての不機嫌な上司たちの姿を反面教師に、「いつも朗らかでいること」をモットーに働いてみた結衣さん。意外にも、さまざまな効果があった。

 「いつも明るいから、落ち込んでいるときに話すと元気がもらえる」と言われるだけでなく、困ったときに助けてもらえたり、部署を越えての人脈も広がったり。顔見知りの人が増えていくと、業務も格段にしやすくなっていった。

 順調に日々を送っていた結衣さんだったが、最近ある悩みを抱えている。それは、この夏に異動してきた同僚女性と反りが合わないこと。結衣さんよりも10歳以上年上の彼女は、新卒で入社して以来ずっとこの会社にいる古株の存在だ。仕事の進め方だけでなく、考え方も何もかも違う。円滑に仕事を進めようと、同僚に明るくやんわりと「この進め方のほうがよいのでは」と提案するも、たちまち不機嫌になる。次第に彼女は結衣さんをあからさまに避けるようになった。

 そんなとき、以前いた会社の「すぐ不機嫌になる上司や先輩」を思い出してしまう。同僚の姿と重なり、動悸(どうき)がして、頭が真っ白になる。しかも分が悪いことに、その同僚と直属の上司はとても仲が良いのだ。

 この仕事は、自分にとても合っていると思う。けれど、今はその同僚と「同じ空気を吸いたくない」とさえ思ってしまっている。異動願を出そうか、いっそのこと退職すべきか、結衣さんは思案している。