前編では、「夢を追いかけるか、安定を取るか」というお悩みに対して、お笑い芸人納言の薄幸さんにアドバイスを聞きました。後編では、芸人をやめようと考えていた時期があったこと、さらに大好きなお酒にまつわるコミュニケーション術を聞きました。

【前編】納言薄幸 幼少期からの夢に挫折し見つけた芸人への道
【後編】納言薄幸 「芸人やめようか」執着手放し夢がかなった ←今ココ

薄幸(すすき・みゆき)さん
1993年、千葉県生まれ。小学5年生から子役養成事務所に入るも、16歳で俳優の夢を断念。17歳で芸人を目指し、2017年に相方の安部紀克さんとお笑いコンビ「納言」を結成。著書に『今宵も、夢追い酒場にて』(幻冬舎)


芸人やめようかな 吹っ切れたら自然体になれた

 25歳くらいのとき、芸人をやめようかなと考えていた時期がありました。頑張っても全然売れず、テレビにも出られず。これでダメなら次の道を考えよう、だから今はやれるだけやろう――。そんな気持ちで出場したM-1グランプリ(日本一の若手漫才師を決める大会)で準々決勝に進出し、そこから徐々に売れ始めました。

 「絶対に優勝しなければ」とか「何がなんでも売れなければ」。そんな執着のような強い思いを手放した分、肩の力が抜けて気楽に臨めたのだと思います。いい意味で吹っ切れたから、純粋にお笑いを楽しむことができたのかもしれません。