人の数だけ悩みもある。どんなに年を重ねても、悩みの種は尽きません。あなたの悩みに寄り添う連載、今回は20代女性の「このままこの会社にとどまっていいいのか」というお悩みです。キャリアコーチのずんずんさんに回答していただきました。

【前編】今の会社にいていい? 不安への向き合い方 ←今ココ
【後編】キャリアコーチずんずん 転職への迷いどう決断?

惰性で出席していた週4の会社飲み会

 ひかりさん(仮名)は、27歳。新卒で通信系の企業に入社、今年で5年目になる。入社して3年目のとき、一度だけ転職活動をしたというひかりさん。働いてみたい業界や職種があっての転職ではなく、「この環境から抜け出たい」「今の会社にこのままい続けるのは嫌だ」という、どちらかというとマイナスな動機だった。

 ひかりさんは転職活動時、ある企業の面接官から言われ、ハッとした言葉がある。「自分がやりたいことや好きなことを明確にしてから、転職活動をしたほうがいいと思いますよ」。確かに、なかったのだ。

転職活動時、面接官から「自分がやりたいことや好きなことを明確にしてから、転職活動をしたほうがいいと思いますよ」と言われ、ハッとした
転職活動時、面接官から「自分がやりたいことや好きなことを明確にしてから、転職活動をしたほうがいいと思いますよ」と言われ、ハッとした

 その後、業務が忙しくなったこともあり、転職活動は一旦保留。「本当に転職したいのか、もう一度考えよう」「今の会社でも、挑戦してみたいことを探してみよう」と思うように。そうしているうちにコロナ禍に突入、会社は一時的にリモートワークになり、人との交流も減った。

 何より一番減ったのは、「会社の飲み会」だ。それまで多いときは1週間に4回ほど、少なくても週に2回は行われていた。先輩や同期も参加しており、断りづらさもあってひかりさんもほとんど参加したという。確かに、飲み会に参加すると、部署の人たちとの親睦は深まる。仕事が進めやすくなったのも事実だ。しかし、飲み会代は自腹。上司や先輩は多めに出してくれるけれど、それでも週2の出費は痛かった。

 けれど、緊急事態宣言が発令され、解除後も飲食店で酒類の提供に制限が出ると、いや応なしに飲み会は消滅。それまで飲み会に充てていた終業後の時間が、突然ポッカリと空いたのだった。

 そこでひかりさんは、その時間を利用してキャリアスクールに通うことに。「やりたいことや、自分の強みが見つけられたらいいなと思って。この先、もしも転職したくなったとき、武器となるスキルを身に付けておきたいんです。会社以外のコミュニティに所属したいと思ったのも、きっかけの一つですね」

 キャリアスクールに通い始めてから、転職や副業の経験がある人たちとの交流がグッと増えた。自分にはまだまだ知らない世界がたくさんあって、もっと知りたいとワクワクした。どの学びも本当に勉強になるし、何より楽しい。すると、ひかりさんの心の中で、だんだんとある変化が起き始める。