コロナ禍で有意義な時間の使い方を見つけた

 飲食店で酒類提供の制限が解除されると、会社の上司や先輩たちはコロナ禍前のように「飲み会をしよう」と誘ってくるようになった。しかし、ひかりさんは正直あまり行きたくない。

 「これまで、他にすることも特にないし……、と惰性で参加することもありましたが、今は『時間を有意義に使いたい』と思うように。週に2回は多すぎるから、3回に1回は断るようにしています。本音では、月に1回で十分なくらい(笑)」

会社の飲み会に参加するよりも、今は時間を有意義に使いたい
会社の飲み会に参加するよりも、今は時間を有意義に使いたい

 その飲み会で、ひかりさんは部署内の40代前半の男性に転職の相談をしたことがある。そのとき、「何か良いアドバイスがもらえれば」とひそかに期待したのだが、彼は「なぜ転職しようと思うの? うちの会社は、福利厚生もしっかりしているし良い会社じゃないか」と、転職を思いとどまるように言ったのだった。

 確かに、このコロナ禍でも会社の業績は落ち込んでおらず、今ここで転職すると「安定を失う」かもしれない。「それを考えると、このまま慣れたところで働くのもいいのかな、とつい流されそうになるんです。

 でも……、私の目には、彼らは『生活のため』『仕事終わりの飲み会のため』だけに働いているように映るんです。その姿勢は好きじゃないなと思って。だから私は、『この仕事だからやりたい!』と思えるものを、見つけたいんですよね。

 目下の悩みは、飲み会をうまく断るにはどうしたらいいか。転職したいと相談したのに『しないほうがいいよ』と止める心理も知りたいです。私は転職すべきなのでしょうか。

 これからの悩みとしては、初めての転職で失敗しないためにできること。何か秘訣はあるのでしょうか」

ずんずんさんに聞いてみた

 そこで今回は、キャリアコーチのずんずんさんに話を聞きました。ずんずんさんは、幾たびの転職を経て、30代前半でシンガポールのIT系企業に就職。そのときの経験をいかし、帰国後はキャリアコーチとして活躍しています。多くの相談者にコーチングをし、気づきを与えてきたずんずんさん。どんな回答が聞けるのでしょうか。

ずんずんさん
キャリア&人間関係コーチ。元外資系OL。新卒で埼玉県にある日系メーカーに就職後、外資系投資銀行に転職、その後シンガポールに渡り、世界的IT系企業に勤務。近著に『ニュー・エリート 新時代に求められる「キャリアサバイバル」』 (KADOKAWA)。