何かを成し遂げた女性は、華々しいキャリアで順風満帆に見える。でも実は、見えないだけで、思い通りにいかず悔しくて、泣いて、もがいて、落ち込んで……「失敗だらけの道」を歩んでいるかも。先輩たちの生々しい失敗談に、転機の乗り越え方、転び方、失敗を最高の糧にするヒントを学ぶ連載。今回は、編集業界のヒットメーカー、松田紀子さん(46歳)の失敗図鑑です。
大ヒット作『ダーリンは外国人』(小栗左多里著、メディアファクトリー)はじめ担当したコミックエッセーの累計売り上げは470万部超。その後、料理雑誌編集未経験で編集長に就いた『レタスクラブ』は部数大幅増のV字回復で完売4回という実績を持つ、スーパー編集者、松田紀子さん。
現在は、ファンベースカンパニーで、培った編集スキルを幅広い業界の企画・マーケティングに生かすファンベースディレクターとして活躍中だ。
いつも明るい笑顔を絶やさず気さくな松田さんは、自他共に認める「失敗を失敗と思わないタフな精神の持ち主」。共に作品を生み出してきた漫画家の皆さんからも、「松田さんと一緒に仕事をするのは楽しい」と支持は厚い。しかし、そんな明るさを育んだきっかけの一つに、20代の頃の「痛い失敗」があったという。