何かを成し遂げた女性は、華々しいキャリアで順風満帆に見える。でも実は、見えないだけで、思い通りにいかず悔しくて、泣いて、もがいて、落ち込んで……「失敗だらけの道」を歩んでいるかも。先輩たちの生々しい失敗談に、転機の乗り越え方、転び方、失敗を最高の糧にするヒントを学ぶ連載。今回は、編集業界のヒットメーカー、松田紀子さん(46歳)の失敗図鑑、後編です。

 初めて担当した書籍『ダーリンは外国人』(小栗左多里著)が100万部を突破したのが29歳の時。以後、ヒットを生む編集者として、たかぎなおこさんやおぐらなおみなど多くの才能を世に送り出してきた松田紀子さん(46歳)。

 順風満帆なキラキラキャリアのように見えるが、管理職となってからのある出来事を「大きな失敗」と振り返る。

「大いに反省、大いに学んだ失敗は、数々あります」
「大いに反省、大いに学んだ失敗は、数々あります」

 それは、「部下への糾弾メール」事件。

 2011年からコミックエッセー部門を統括する編集長になっていた松田さんは、プレーヤーとして第一線に立ちながら、チームをまとめる責任を担うマネジャーの立場になった。

<松田紀子さんの「失敗年表」>23歳 地元の大学を卒業後、編集者を目指す/九州のフリーペーパーの編集部へ/地元の店舗のPR記事を作成/ここで失敗(1)/24歳 リクルート九州「じゃらん」へ契約社員として入社/27歳 上京し、メディアファクトリーに転職/コミックエッセイのプロジェクトを担当/29歳 担当した『ダーリンは外国人』が100万部のヒット/その後も担当するコミックエッセイが軒並みヒット/41歳 メディアファクトリーがKADOKAWAに吸収合併され、残留を決断/ここで失敗(2)/42歳 雑誌『レタスクラブ』編集長に/44歳 部数大幅増のV字回復を果たす/46歳 KADOKAWAを退職、ファンベースカンパニーにジョイン
今回は失敗(2)について聞いた。その名も「部下への糾弾メール事件」