人と比較 居場所を探してさまよう

 「特にやることもないので、アナウンスブースにこもって発声練習をしていましたが、やることがないと余計なことばかり考えてしまうんですよね。時間があるから『あの先輩はこの年であれとこれを担当していた』『あの先輩は5つも』とか、調べちゃったりして」

「とにかく人と自分を比較してずっとモヤモヤしていました」
「とにかく人と自分を比較してずっとモヤモヤしていました」

 「負けず嫌いの性格が邪魔をして、人と比較しては落ち込む毎日でした。特にアナウンサーという仕事は、個人プレーの部分も多いので比較しやすい。当時は『忙しいでしょ? 普段は何をやっているの?』と聞かれると、「私、全然忙しくないのに」と思いながらもそう答えるのが恥ずかしくて、ごまかしていました。ずっと居場所を探している感じでしたね」

 落ち込んだときは、母や友人に話を聞いてもらったり、大好きなMr.Childrenの音楽を聴いたりして気持ちを整理し、なんとか自分を立て直そうと踏ん張る日々。

 「このまま立ち止まってはいられない」と、竹内さんはある行動に出る。

頼まれてもいないのに現場に出る

 「当時、『やべっちF.C.』や『GET SPORTS』のスポーツ番組を担当させてもらって、その経験から、スポーツなら現場に行けば行っただけ取材ができる、アピールできる、努力が認めてもらえるんじゃないかと思って、誰からも頼まれていないのに現場に行くようにしたんです」

 いつも現場に行き、勝手に取材をする。スポーツの現場が好きだったこともある。そんな地道な活動を続けていると、「あれ、なんか、現場にいつもいるよね」と気づいてくれる人が増えた。そして、ついに様々なスポーツ番組に起用されることになった。

 また同時期に、あの「読み間違いミス」をリカバリーできるチャンスにも恵まれる。