自立した働き方を求めて個人事業主に

 大学卒業後、大手企業に入社し、営業職を務めていた近藤さん。「社会人になりたての頃は数え切れないくらい失敗してきました。そのたびに上司や先輩に助けてもらいながら乗り越えてきました」と話す。

 入社して3年目を迎えた頃、近藤さんは独立を決意。片づけコンサルタントとして活動を始めた。個人事業主になった理由は、片づけが好きだったことに加え、自立した働き方をしたかったからだという。

 「私は幼少期から、友達とワイワイ遊ぶよりも一人で片づけをしている時間のほうが多かったんです。いつも物と対話しているような子どもでしたね(笑)。学生時代は仲のいい友人たちと過ごしていましたが、大勢で何かをするとなると、どう振る舞えばいいのか分からなくなってしまって。当時から、私は一人で目標に向かって進んでいくほうが向いている職人気質なんだと思っていました」

「会社員時代に仕事の進め方を学び、視野が大きく広がったと思います」
「会社員時代に仕事の進め方を学び、視野が大きく広がったと思います」

 「会社員になってからはチームで働くことが増え、仲間の存在は心強かったのですが、それに頼りきらずに働きたいと考えるようになりました。そこで、大好きな片づけを仕事にしようと独立を決めたんです」

 独立後は、依頼のあった相談者の自宅へ出向き、一人ひとりと対話しながら片づけをサポート。片づけを通じて自分の人生や生き方を見つめ直す近藤さん独自のメソッドは、瞬く間に人気となった。その1年後に出版した『人生がときめく片づけの魔法』(河出書房新社)はミリオンセラーとなり、「こんまりブーム」が巻き起こった。