何かを成し遂げた女性は、華々しいキャリアで順風満帆に見える。でも実は、見えないだけで、思い通りにいかず悔しくて、泣いて、もがいて、落ち込んで……「失敗だらけの道」を歩んでいるのかも。先輩たちの生々しい失敗談に、転機の乗り越え方、転び方、失敗を最高の糧にするヒントを学ぶ連載。今回は、「EGOIST(エゴイスト)」SHIBUYA109店の元カリスマ店員で現在はヨーコモリモトデザインオフィス代表でクリエイティブディレクターを務める森本容子さん(43歳)の失敗図鑑(下編)です。

森本容子 カリスマ店員から経営者になるも3億円の借金
森本容子 横領、離婚、不育治療…激動の30代を経て出産 ←今回はここ

横領事件、離婚でうつ状態に

 「MOUSSY(マウジー)」に続き、独立後に立ち上げた「KariAng(カリアング)」でも成功を収めた森本容子さん。ところが、31歳のとき、会社で横領事件が発生。約3億円の借金を抱えることになり、失意のどん底にいたところ、追い打ちをかけるようにプライベートでも問題が発生した。

「もともと結婚願望が強かったんですが、このペースで仕事をしていて結婚できるのか、しても大丈夫なのかといった不安はありました」
「もともと結婚願望が強かったんですが、このペースで仕事をしていて結婚できるのか、しても大丈夫なのかといった不安はありました」

横領事件、離婚で鬱状態に

 「マウジーをプロデュースしていた24歳のときに結婚しました。当時は毎日本当に忙しくて、深夜2時、3時まで働くのは当たり前。働き過ぎの自覚はありましたが、ずっと結婚に憧れていたし、仕事が忙しい分ほっとできる場所がほしかった。でも、結局、35歳のときに離婚しました」

 横領事件以降、プライベートでも悩みが続き、心労が重なった森本さんは鬱状態に陥り、家に引きこもるようになった。当時はマウジー時代からともに働いていたベテランスタッフが毎日のように訪れては、散歩や食事に誘い、何とか気を紛らわせようとサポートしてくれたという。