何かを成し遂げた女性は、華々しいキャリアで順風満帆に見える。でも実は、見えないだけで、思い通りにいかず悔しくて、泣いて、もがいて、落ち込んで…「失敗だらけの道」を歩んでいるかも。先輩たちの生々しい失敗談に、転機の乗り越え方、転び方、失敗を最高の糧にするヒントを学ぶ連載。今回は、2度のUターン、転職、出産、離婚を経て、地元・秋田で自身のブランド米「ゆきのこまち」をつくる注目の農家・坂本寿美子さん(46歳)の後編です。
(上) 「都落ち」後に地元の就活で失敗 奮起し出会った天職
(下) 自分の限界を知って決断 42歳で農家再出発の理由 ←今回はここ
地元・秋田で自身のブランド米「ゆきのこまち」をつくる農家の坂本寿美子さん。高校卒業後、上京して働いていたものの、祖父の病気がきっかけで地元に戻り、就活での失敗で人生初の挫折を味わった。
■前編「都落ち」後に地元の就活で失敗 奮起し出合った天職
そこから一念発起して、さまざまな仕事に挑戦する中、セラピストという天職に出合った坂本さん。妊娠・結婚を機に再度Uターンをし、離婚を経て、「念願だった自分のお店」を構えた。だが、これが、第2の失敗となった。
「当たり前ですが、お店があると動けないんです」と坂本さん。
「お客さんが来ると施術できますが、来ないとお店で待っているだけしかできない。売り上げも思うようには伸びず、子どもを育てながら趣味の延長のような仕事になってしまった。もっと売り上げを立てないといけないと思い、ホテルやブライダル業者に営業に行こうかとも思いましたが、それをやって売り上げを伸ばすと、もう、農業をやるのは無理だなと気づいたんです」
それまでも農繁期には店を閉めて実家の農作業を手伝ってはいた。でもお店を本格的に大きくしようとすると、時間も取られ、農業を続けるのは難しい。さて、どうする?