何かを成し遂げた女性は、華々しいキャリアで順風満帆に見える。でも実は、見えないだけで、思い通りにいかず悔しくて、泣いて、もがいて、落ち込んで…「失敗だらけの道」を歩んでいるのかも。先輩たちの生々しい失敗談に、転機の乗り越え方、転び方、失敗を最高の糧にするヒントを学ぶ連載。今回は、元ビリギャル・小林さやかさん(33歳)の失敗図鑑(上編)です。

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元ビリギャル小林さやか コロナ禍で知った自覚のないおごり

慶応大学合格後、「ギャルに戻っちゃった」

 「頑張って偏差値を上げて大学に進んだけれど、その後はまたギャルに戻っちゃった!

 ちょっぴりギャル風の口調でこう話すのは「元ビリギャル」の小林さやかさん。2013年に出版された書籍『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話』(坪田信貴著・KADOKAWA)のモデルとして、一躍注目を集めた。

「大学1年のときは、イベント運営会社で社長のアシスタントをしていました。言いたいことははっきり言っていたので、生意気なインターン生だったと思います」
「大学1年のときは、イベント運営会社で社長のアシスタントをしていました。言いたいことははっきり言っていたので、生意気なインターン生だったと思います」

 小林さんは中学受験に成功するも、合格後に勉強をやめてしまったため学年で最下位の成績が続き、徐々に素行不良に。高校生になると、成績の低い生徒が集まるクラスに入れられ、問題行動により自宅謹慎になったこともあった。そんな小林さんが変わったのは高校2年の夏。母親の勧めで行った塾で、塾長の坪田信貴さんと出会い、猛勉強のすえ、偏差値を40上げて慶応義塾大学総合政策学部に現役合格を果たした

 「受験が終わったら、勉強しなくなっちゃった」と笑うが、当時は恩師の坪田さんから掛けられた言葉を額面通りに受け取り、その通りに行動していたつもりだったと話す。

 「坪田先生に『あなたは、人との出会いを大切に生きていきなさい』と言われました。君は人が大好きだから、人との出会いが必ず人生の転換期になるよ、と。それなら、大学では人と出会えることをしようと、サークルやアルバイト、合コン、恋愛に励みました(笑)。今思えば、なんてもったいないことしたんだろうって思います。もう一度大学生をやれるなら、すべての授業を一番前の席で聞くと思う」

 大学3年で始めた就職活動では、迷わず人と関わる仕事を選んだ。しかし、新卒入社した会社の研修でギャルマインドを発揮した小林さんは、ここでもまた失敗の連続だった。

年表