何かを成し遂げた女性は、華々しいキャリアで順風満帆に見える。でも実は、見えないだけで、思い通りにいかず悔しくて、泣いて、もがいて、落ち込んで…「失敗だらけの道」を歩んでいるかも。先輩たちの生々しい失敗談に、転機の乗り越え方、転び方、失敗を最高の糧にするヒントを学ぶ連載。今回は、元衆議院議員で、コメンテーターの仕事や講演活動を中心に活躍する金子恵美さん(42歳)。産後直後に夫の不倫スキャンダルが発覚。しかし、損得を考えて保身を図ろうとすることなく、ある決断をする。「この話をメディアでするのは初めて」というエピソードも交えて、金子さんが経験した失敗、そしてそこから生まれた信条について聞いた。
(上) 金子恵美 出産日夜に夫からまさかの告白 あの日の決断 ←今回はここ
(中) 金子恵美 夫の騒動に「全く別れる気はなかった」理由
(下) 金子恵美 留学中の失敗で学んだ多様な視点
元衆議院議員で、コメンテーターや講演を中心に活躍する金子恵美さん(42歳)。新潟県出身で、父親が月潟村(現・新潟市南区)の村長だったことから、学生時代から政治家を志し、ミス日本関東代表という経歴を経て、2007年、新潟市議に初当選した。
その後、県議を経て、2012年、新潟4区から自由民主党公認で出馬し、当選。1期目から活躍を期待され、2期目には総務大臣政務官に。が、3期目を懸けた選挙で落選。その原因として、夫の元衆議院議員の宮崎謙介さん(39歳)の不倫スキャンダルを記憶している人も多いだろう。
落選したのは、私の力不足が原因だった
だが、金子さん自身は「私自身に力があれば、その力を評価してもらえて再選できたはず。そうならなかったのは明らかな私の力不足なのに、夫のせいと言われたのはつらすぎました」と振り返る。
ワイドショーや週刊誌の格好の餌食になり、所属党内からは「離婚すれば女性票を確保できるから離婚しろ」と勧められ、地元の支援者たちは「別れなかったら絶対応援しない」と口をそろえたという。それでも、金子さんには「夫と別れるつもりは1ミリもなかった」。
自身の政治生命も危ぶまれることは承知の上で、金子さんは決断した。なぜ、損得を考えて保身を図ろうとしなかったのか。そこには、過去の失敗から生まれた信条があった――。「この話をメディアでお話しするのは今回が初めて」というエピソードを交えながら、特別に上中下の3回にわたって語ってもらう。