今回の「最高の失敗図鑑」は、元衆議院議員で、コメンテーターの仕事や講演活動を中心に活躍する金子恵美さん(42歳)。産後直後に夫の不倫スキャンダルが発覚。しかし、損得を考えて保身を図ろうとすることなく、ある決断をした金子さん。金子さんが経験した失敗、その失敗から生まれた信条とは? インタビューを3回にわたってお届けする。実は、夫が議員辞職の会見をする日、産褥期で入院していた金子さんは病院を抜け出して……
(上) 金子恵美 出産日夜に夫からまさかの告白 あの日の決断
(中) 金子恵美 夫の騒動に「全く別れる気はなかった」理由 ←今回はここ
(下) 金子恵美 留学中の失敗で学んだ多様な視点
元衆議院議員で、コメンテーターの仕事や講演活動を中心に活躍するタレントの金子恵美さん(42歳)は、学生時代から政治家を志し、2007年、新潟市議に就任。その後、県議を経て、自民党の衆議院議員として2期5年務めるも、出産後、夫の元衆議院議員・宮崎謙介さん(39歳)の不倫スキャンダルが報道され、バッシングの嵐にさらされても別れようとはせず、後に3期目を懸けた選挙で落選した。
金子さん自身は「あの落選は、明らかに私の力不足によるもの」と振り返る。
「「金子恵美 出産翌日に夫からまさかの告白 その日の決断」(上)」
スキャンダルが「文春砲」によって報じられたのは、2016年2月9日。夫の宮崎謙介さんが議員辞職会見をしたのは、1週間後の2月16日。金子さんにとっては産後12日目で、できるだけ安静に過ごすべき産褥(じょく)期の真っ只中だった。
しかし、金子さんはこの日、「どうしても、議員バッジを着けた彼の最後の姿を見たい」と、入院中の金子さんをとらえようと報道カメラが囲んだ病院を抜け出し、宮崎さんが辞職会見をする前に議員宿舎に行ったという。
張り込みのマスコミにバレないように
「宮崎は経営者として、若者の就職支援を行っていたのですが、優秀な人材ほど海外に流出する現状を憂い、その流れを食い止めたいと思って政治家になったんです。地盤(後援会)、看板(知名度)、カバン(資金)のない候補者が、選挙で勝つことは並大抵の努力と苦労でできることではありません。それなのに、志半ばで辞職せざるを得なくなり、どんなに無念だったことか……」
私は、彼が議員バッジを着けている最後の姿を見るために、入院先の地下駐車場から車の後部座席に乗り込んで、足を置くスペースに小さくなりました。上から段ボールや紙袋などの荷物を置いてもらい、一見すると後部座席は荷物が山積みの状態に。正面玄関や裏口にはマスコミがびっちり張り込んでいて、普通に移動できなかったので。おかげで、バレずに議員宿舎まで行けました」
この話は、今までどのメディアでも話したことがないという。
「あのとき張り込んでいた週刊誌や新聞社の皆々様方、目を盗むまねをして申し訳ございませんでした(笑)」。今でこそ笑って話せるが、当時は笑う余裕など一切なく、緊迫した状態だった。