何かを成し遂げた女性は、華々しいキャリアで順風満帆に見える。でも実は、見えないだけで、思い通りにいかず悔しくて、泣いて、もがいて、落ち込んで…「失敗だらけの道」を歩んでいるのかも。先輩たちの生々しい失敗談に、転機の乗り越え方、転び方、失敗を最高の糧にするヒントを学ぶ連載。今回は、モデル、実業家として活躍中の仁香さん(47歳)の失敗図鑑(上編)です。

(上)仁香 専属モデル卒業後体重13kg増 激太りで失職寸前 ←今回はここ
(下)仁香 39歳で離婚 42歳でまさかの16歳年下と再婚

モデルの仕事は「天職」

 現在、大人世代をターゲットにしたファッション誌や美容誌、YouTubeなどさまざまなメディアで活躍しているモデルの仁香さん。ウォーキングアドバイザーとしての顔も持ち、ウエルネス分野でも積極的に活動中だ。プライベートでは夫と思春期の息子の3人家族。公私ともに充実した毎日を送っているが、今の幸せをつかむまでにはさまざまな壁にぶち当たってきたそうだ。

 仁香さんがモデルデビューを果たしたのはまだ高校生だった18歳のとき。知人の紹介でモデル事務所に所属すると、あっという間にファッション誌『CanCam(キャンキャン)』(小学館)の専属モデルに決定。新人としては早い段階で表紙を飾るなど名実ともにトップモデルの座に駆け上がっていった。

 「当時は18歳で、社会のこともよく分からないままでしたが、仕事はとても楽しくて。ヘアメイクさんにきれいに整えてもらって、かわいい服を着て、読者さんに楽しんでもらえるなんて、最高の仕事だと思っていました。つらいと感じたことはほとんどありません。ただ、あまりに忙し過ぎて、当時の記憶はあまりないんです(笑)。 早朝に撮影を終えて、ロケバスで学校まで送ってもらうこともしょっちゅうでした」

「ファッション誌は季節を先取りするため夏に秋冬服、冬に春夏服の撮影をします。真夏にニットやコートを着て撮影するのは暑くて大変ですが、私が感じた苦労といえばそれぐらいでしたね」
「ファッション誌は季節を先取りするため夏に秋冬服、冬に春夏服の撮影をします。真夏にニットやコートを着て撮影するのは暑くて大変ですが、私が感じた苦労といえばそれぐらいでしたね」

 170cmの身長とすらりとした体形に恵まれ、新人時代からカメラを向けられれば、自然にポージングできた仁香さんにとってモデルの仕事はまさに「天職」。ところが、『CanCam』の専属モデルを卒業すると、自分でも予期しなかった事態に陥り、失職寸前になってしまった。