生まれたときから「男女不平等」に疑問を抱いている

 「男性中心の社会が続いてきた商業演劇界で、女性が支配人やプロデューサーに登用されることは非常に珍しいことでした。そもそも、今からたった14年前の2006年に、大々的に『女性がやります!』という売り文句を掲げて新しい劇場オープンをリリースすること自体、すごく遅れていたなと感じていました。

「今はだいぶ変わってきたけれど、やっぱり、男女による差はありますよね」
「今はだいぶ変わってきたけれど、やっぱり、男女による差はありますよね」

 「私は、演劇に関わる前からずっと『優秀な女性たちがこんなにいるのに、なぜ日の目を見ないんだ』って感じていました。私自身、悔しい思いもたくさんしてきた。なんだか、『男女不平等』には、生まれたときからずっと疑問を抱き、腹を立ててきている気がします(笑)

 そんな小林さんの周りでは今、多くの女性スタッフが活躍しているという。

 「一緒に働くスタッフは、私が選んでいるんです。なぜ女性が多いかというと優秀だからです。逆に言うと、女性は優秀じゃないと生き残れない世界なんです。『普通に仕事ができる』くらいだと、そのポジションは男性に取って代えられる。この世界では、女性は確実に結果を残していかないと次がない。だから、きちんと優秀なスタッフを選ぼうとすると、結果的に女性が多くなってしまうんです」