何かを成し遂げた女性は、華々しいキャリアで順風満帆に見える。でも実は、見えないだけで、思い通りにいかず悔しくて、泣いて、もがいて、落ち込んで…「失敗だらけの道」を歩んでいるのかも。先輩たちの生々しい失敗談に、転機の乗り越え方、転び方、失敗を最高の糧にするヒントを学ぶ連載。今回は、俳優、ヨガインストラクターとして活躍中の小田茜さん(43歳)の失敗図鑑(下編)です。

(上)小田茜 息つく暇もない20代 俳優として自信がなかった
(下)小田茜 離婚で人生のどん底に 新たな出合いで道を開拓 ←今回はここ

主演ドラマが大ヒット キャリアの転機に

 現在、俳優、ヨガインストラクターとして積極的に活動している小田茜さん。13歳で芸能界デビュー後、ドラマ出演や歌手活動など、順調に活躍の場を広げていたが、20代前半までなかなか俳優として自信が持てなかったそうだ。

 「たくさんの仕事に恵まれる中、私は本当に求められている演技ができているのか、周囲も私を一人前の俳優だと思ってくれているのか、心からの自信が持てませんでした。10代の頃からキャリアを積み重ねてきたけれども、たくさんの素晴らしい俳優さんたちが活躍されている中、私も堂々と俳優と名乗っていいのかと悩むこともありました

「10代、20代の頃は、少しでも大人に見られたくて背伸びしていたと思います」
「10代、20代の頃は、少しでも大人に見られたくて背伸びしていたと思います」

 そんな小田さんに、転機が訪れた。24歳のときにヒロインを演じた連続ドラマ『ピュア・ラブ』(毎日放送)が大ヒット。異例の早さでシリーズ第2作の制作が決定し、その後、第3作で完結を迎える人気ドラマとなった。

 『ピュア・ラブ』は難病と闘う小学校教師・木里子(小田さん)と猪野学さん演じる僧侶の陽春との純愛を描いた作品。小田さんは、恋愛だけではなく、闘病を通じて「生」に向き合うヒロインを演じたことで自身の内面にも変化があったと話す。