できるなら、失敗なんかしたくない。誰もがそう思う。何かを成し遂げたロールモデルの女性は、華々しいキャリアで順風満帆に見える。でも実は、見えないだけで、思い通りにいかず悔しくて、泣いて、もがいて、落ち込んで……「失敗だらけの道」を歩んできたのかも? 先輩たちの生々しい失敗談には、これからの人生に役立つ転び方や乗り越え方、失敗を最高のものにするヒントが詰まっている。

 女性の就業支援を中心にコンサルティングや研修事業などのビジネスを手掛ける「Will Lab」の小安美和さん(48歳)。新卒で大手新聞社に入社し、広告営業を経験。仕事を辞めて結婚し駐在妻になった後、再就職に挑戦し続け、帰国後はリクルートに転職。グループ会社の役員などを経て起業を果たした……とまで聞くと、転機に満ちた人生、華麗なキャリアの持ち主という印象を持つかもしれない。でも実際は……「人生を揺るがすような失敗を経験してきた」という。

「経歴だけを並べると、なんだかうまくやってきたように見えるかもしれませんが、実はしくじってばかりの人生。自分のことを『しくじり先生』と呼んでいるくらい(笑)」
「経歴だけを並べると、なんだかうまくやってきたように見えるかもしれませんが、実はしくじってばかりの人生。自分のことを『しくじり先生』と呼んでいるくらい(笑)」

 「私の20代での失敗は、30歳までになんとかしなくてはと焦って決断してきたことです」

小安美和さんの失敗年表/新聞社に入社、メディアの広告営業を担当、結婚、夫の転勤で退社し、シンガポールへ/仕事をしたくて、現地企業や通信社の支局に勤務/単身帰国、リクルート転職、ネットメディアの編集に没頭、離婚/再婚/中国・上海へ単身赴任、ゼクシィ商品責任者に/帰国後、人材メディア部門の企画マネジャーを経て経営企画部長に/一人でホテルにこもり30年ビジョンを描く/不妊治療開始/リクルートジョブズ執行役員に/不妊治療に終止符、退職/スイスのビジネススクールのプログラムを受講/起業「Will Lab」設立
今日は、小安さんの「失敗1」について聞きます