26歳で結婚。赤帽を呼んで夜逃げ

 最初の結婚はリクルートに勤めていた26歳のとき。相手は5歳年上の優しく穏やかでゲーム好きな先輩だった。当時は腐れ縁化していた元彼がいて、相手の嫉妬深さや激しさに疲れ果てていた時期。年上の先輩の優しさにほだされて結婚を決めた。

 ところが、「一緒に住んでみると家でのんびりゲームばかりしているのがストレスで。勝手な話ですが、『このままでは自分がダメになる』と勘違いしちゃったんですよね。ある日、夫が留守のときに自分の荷物を45リットルサイズのポリ袋に詰め、赤帽を呼んで夜逃げ、いや昼逃げ。ゴミ袋家出です(笑)」(赤帽:軽トラックを使った個人の運送業者らで構成する全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会)

 そして、家を飛び出したまま、自分からも連絡はせず、相手からも半年間、連絡がなかった。結局、きちんと二人で話し合わないまま、離婚することになったという。

「でもね、私、ここで懲りなかったんです」
「でもね、私、ここで懲りなかったんです」

 2度目に結婚した相手は、前述した学生時代の元彼。前夫とは正反対なアグレッシブなタイプだった。離婚後に連絡があり、「やっぱり私はこういう人が好きだったのかも……」と思った直後、彼のドイツへの海外赴任が決まり、プロポーズされた。

結婚して渡欧するか、別れるかの2択

 「結婚はちょっとなあ……と思いつつも、海外に行ってしまったらもう会えない。彼からは『結婚して一緒に渡欧する以外の選択肢はない』とキッパリ言われ、これが彼との最後のチャンスだと思って結婚しました」

 学生時代からくっついたり離れたりした二人。一緒に暮らしたことはなかったから、「一緒に暮らしてみて決着をつけたほうがいいのかも」と思ったことも決断の理由。

 「でも……初めて暮らす人と一緒に海外で生活、しかも結婚してから、なんて、今から考えたら、失敗する要素満載ですよね(笑)」。それが30歳のときだった。

 お互いに自我が強く、意見を曲げないタイプで、もともとケンカを繰り返すような相性の二人。渡欧直後は刺激的で楽しい毎日だったが、1年たったころから雲行きが怪しくなった。