28歳でマサチューセッツ工科大学(MIT)の助教、32歳で東京大学特任准教授、33歳で東京芸術大学デザイン科准教授に就任……とキラッキラな人生を歩んでいるかに見える、アーティストのスプツニ子!さん。「20~30代の働く女性同士、共有したいことがいっぱいある!」とのこと。さあ、スプツニ子!さんのお部屋へようこそ。ゆっくりお話ししましょ。

高齢者が多いと価値観の変化が滞る

 2019年末、世界経済フォーラム(WEF)の「ジェンダー・ギャップ指数(男女平等指数)」が出ましたが、日本は過去最低の121位でしたね。1年前の順位が110位だったのでそこまで期待はしませんでしたが、そうはいってもこの結果は残念でした。先進国では、もちろん最下位。

 でもこの結果が出る前から、私を含め、だいたいみんな、国内にかなりの男女間のギャップがあるってことには気づいてましたよね。

 なぜこの状況が日本ではなかなか変わりづらいのか、私なりに考えてみました。

 まず、シンプルに人口比率を見て「これは大変だな……」と。なぜなら高齢者比率が世界一高くて、人口の3割弱を占めている。若い世代が多いほど価値観ってシフトしやすいと思うんですが、こうも国の高齢者比率が高いと政治家も高齢者寄りの政策を進めざるを得ず、やっぱりいろんな価値観の変化が滞ります

 例えば旧来の家族像だってそう。今の自民党の政策を見ると、夫婦別姓では「選択的夫婦別姓」すら認められない。全員が夫婦別姓にすべきだ、ということじゃなくて、夫婦別姓を選びたい人たちは選べるようにしようよ、って言っているにすぎないのにそれも認められないんです。一部の自民党の政治家は「夫婦の姓が違うと家族が崩壊する」と言っていますが、正直、姓が一緒でも崩壊している家族ってたくさんあるよね。それに姓が違うだけで崩壊する家族って、どんだけもろいんだよ、と思います。